日本橋室町店

第144回ジ・オープンが閉幕しました。

アウトはバーディ合戦によるスコアの伸ばしあい、インに入ると我慢勝負を強いられる、前後半で全くコースの顔が変わってしまう大会でした。

勝負はもつれにもつれ、3人によるプレーオフとなりました。

12番までに7つスコアを伸ばし、13番と17番をボギーとするものの18番で再びバーディを奪い、先に15アンダーでホールアウトしたザック・ジョンソン。

同じく12番までに7つのバーディを積み重ね、16番でボギーを打ち15アンダーとなったが、最難関の17番をパーで耐えたマーク・リーシュマン。

そして最終組からスタートし、12番までに4バーディ1ボギー、13番をボギーとして通算14アンダーで追いかける立場になったのち、18番にバーディを奪い最後に追いついたルイ・ウーストヘイゼン。

以上の3名で、4ホールのプレーオフが行われました。

まず1番ホールです。

18番との共有のフェアウェイは幅100ヤードあり、世界一広いフェアウェイといわれています。

グリーンのすぐ手前にスウィルカン・バーンという小川が流れており、ほとんどの選手がティーショットをアイアンで刻みます。

それでも距離は短いホールですので、ホールアベレージは3.843とバーディの欲しいスタートホールです。

プレーオフでは3人ともパーオンに成功しましたが、リーシュマンだけ奥につけ3パットを喫してしまいました。

逆にウーストヘイゼンとジョンソンはバーディ。

2人が抜け出しました。

続いては2番ホール。

フェアウェイの右サイドに大きなバンカーが口を開けており、ホールアベレージは4.042とやや難しめです。

ここでもジョンソンがバーディパットを沈め、パーとした2人に対して一歩リードします。

そして最難関の17番ホールです。

ホテル越えのティーショット、グリーン左手前のトミーズバンカーが有名ですが、4日間でホールアベレージは4.655。

パーよりもボギーのほうが多く、世界一難しいパー4と言われています。

見えないティーショットのプレッシャー、距離が長いのでセカンドショットでも長い番手が残ります。

トミーズバンカーに入れてしまえば、ボギーやダボで済まないこともあります。

リーシュマンとウーストヘイゼンはグリーンの一番手前にギリギリで乗りましたが、ジョンソンは大きく左に外してしまいました。

バンカー越えのアプローチはグリーンの幅が狭く、オーバーするとすぐOBゾーンがあります。

ジョンソンの3打目はカップのすぐ横にキャリーしましたが、大きくフェースを開いて打ったロブショットでもグリーンには止まりませんでした。

奥からの第4打はどうにか1mにより、ジョンソンは辛くもボギーでホールアウトです。

ここでパーをセーブしたいリーシュマンとウーストヘイゼンですが、大きく段を上がるパッティングは決して易しくはありません。

なんと2人とも3パットのボギーとしてしまいます。

最後は18番に再び戻ってきます。

フェアウェイの真ん中を小川が流れ、その川にスリルカンブリッジという橋が架けられています。

これまで幾人ものスーパースターが、ここで全英オープンから引退していきました。

今年もトム・ワトソンとニック・ファルドが大勢のギャラリーに見送られました。

さてプレーオフに戻ります。

フェアウェイが広く距離も短いということで、ホールアベレージが3.758とバーディの多いホールです。

しかしグリーンの手前に「罪の谷」と呼ばれる深いくぼ地があり、決して油断は出来ません。

リーシュマンはジョンソンに対し3打のビハインドですから、かなり追い込まれた状況です。

ウーストヘイゼンも1打リードを許していますから、なんとしてもバーディが欲しいところです。

ジョンソンは最低でもパーキープは必須です。

3人ともドライバーでフェアウェイをキープしましたが、ジョンソンは大きく左に曲げ、1番の反対側のフェアウェイまで行ってしまいます。

グリーンに対してかなり斜めの角度からのアプローチですが、ピンまで77ヤードと寄せやすい距離ではあります。

リードを持っているからでしょう、少し余裕を持ってピンの奥目に乗せてきました。

対するウーストヘイゼンはグリーンまでの距離が近く、逆にスピンがかけづらいので、ピンに寄せるのが難しい状況です。

ファイナルラウンドの18番と同じようにギリギリのところに落としてきましたが、少しピンをオーバーしました。

先にバーディパットを打つのはジョンソンです。

狙いつつも距離をあわせてきたのでしょうか、わずかに弱くカップの手前で右に切れてしまいました。

お先にでパーパットを沈めます。

ウーストヘイゼンのバーディトライは、決めればサドンデスでのプレーオフ、外せばジョンソンの優勝が決まります。

カップの左淵から一瞬入ったかに見えましたが、ボールはカップをなめて外れてしまいました。

この瞬間、ザック・ジョンソンが2007年のマスターズに続くメジャー2勝目を達成しました。

ジョンソンのガッツポーズは右肩が下がります。

しばらくは真似をしてみようと思います。