国内開幕が近くなってきた男子ツアー。今年から選手会長に就任した石川遼が、長野県で行われたジュニアレッスン会に参加。このイベントは長野県出身の塚田陽亮が開催しているもので、今年で5回目を迎える。
1月の「SMBCシンガポールオープン」出場の際に塚田が石川にオファーし、「塚田さんの地元に対する熱い思いを聞いて素晴らしいなと思った。長野のゴルフを盛り上げよう、自分がやらなければ、という使命感を感じました」と、塚田の思いに共感した石川が快諾。新選手会長の参加に、イベントの抽選倍率は跳ね上がったという。
先月は、奈良県の学校に赴いて自らスナッグゴルフを指導。小中高生を前に講演を行うなど、自ら率先してゴルフ界を盛り上げるため選手会長として奔走している。加えて、11日に行われたレッスン会ではもう一つ特別な思いがあった。
イベントが行われたのは、東日本大震災からちょうど7年となる3月11日。子どもたちとの交流を楽しみながらも、やはり思い起こされるのは復興の二文字。「まだ新しい家が出きていない人も何万人といる中で、7年の月日が経った。月日の流れの中で、大人は子供の成長を見て時間の流れを感じるけれど、復興の進み具合と時間の流れとのギャップも感じる」と、元気にゴルフを楽しむ子どもたちを見て思いをめぐらせた。
「物理的に状況が変わっていなくても、前向きな気持ちを持つ人たちが増えるのは大切だと思います。支援も引き続き行いながら、気持ちの面で、明るさや前向きさを少しでも取り戻していただけたら」。日本のゴルフ界を牽引する立場として、復興のために自分が出来ることを考えていた。
その中で、一つ決めたことがある。「今年は福島オープンにも出場するつもりでいます」。6月に開催される、国内男子ツアー「ダンロップ・スリクソン福島オープン」。1995年から2013年までは地区オープンとして開催されていたが、14年からは国内男子ツアー公認試合となった。石川が同大会に参戦するのは、今年が初となる。
「僕は被災していない身なので軽々しいことはいえませんが、これからやっていくことは変わらない。ゴルフという力で最大限の支援をしていけるよう、選手会としても、個人としても頑張りたいです」。選手会長となった今年は、いいプレーを見せたいという気持ちがより一層強まった。前向きな姿勢を見せ続けることが少しでも誰かの力になることを信じて、自身も復活に向けて努力を重ねていく。
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