石川遼が今季から本格的に国内復帰を果たし、すでに5試合が終了。ショットの不調に悩まされながらも、優勝争いに食い込むなど上位につけてきた。
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課題としているショットについては、今季のフェアウェイキープ率は41.2パーセント、全体では130位と数字で見てもやはり不調。ツアー4勝を挙げて賞金王に輝いた2009年も、フェアウェイキープ率は47.95パーセント(87位)だったが、これをカバーしていたのがパッティングだ。今季もショットに悩まされながらも上位につけているのは、平均パット数1位(1.7235)を誇るパッティング技術があるからだろう。
過去の平均パット数を見てみると、プロデビューを果たした2008年は3位(1.7615)、09年が1位(1.7235)、3勝を挙げた10年が2位(1.7368)と好調なときは常にツアートップの数字をたたき出している。
今季の石川のパッティングで変化が見られたのが「今年はずっとクロスハンドでやっている」というグリップだ。「最初はクロスハンドにしたらタッチが合わなくて順手に戻しました。でも、今はクロスハンドのほうが自分の思ったタッチが出るようになってきた。当たる位置が安定してきている感じがします」。米国男子ツアーに参戦しているときからクロスハンドを試し始めたという石川。今季国内初戦の「東建ホームメイトカップ」では、「思ったラインよりも一筋右だった」とショートからミドルパットを右に外す場面が何度か見られたが、クロスハンドを試し始めてからこのズレが以前よりも出にくくなったという。
グリップに加えて、スタンスの幅をその都度調整しているのも特徴の1つ。「スタンスは、距離感やタッチを合わせるためのもの。スタンスが狭いほうがヘッドが走るので、重いグリーンになるとスタンスが狭くなる。速いグリーンだと広くなります」と、試合ごとのフィーリングやグリーンの状態に合わせて変えている。
「練習グリーンでタッチを合わせて、2ホール目くらいまでには“こんな感じ”と判断するようにしています。2番ホールから、コースのタッチにバッチリ合わせてできるようにしています」と語った石川。今季の東建ホームメイトカップ2日目には、連続11ホール1パットを記録。これまでにも数々のロングパットを決めて会場を沸かせてきた石川。ショットの不調はまだぬぐいきれないが、パッティングの技術で補っている。自ら相性がよくないとしている「日本プロゴルフ選手権」が開幕。自身初の大会制覇に向けて、本大会ではどんなミラクルパットを見せてくれるのか。
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