ポンテ・ヴェドラ・ビーチ、フロリダーウェブ・シンプソンはすでにザ・プレーヤーズ選手権優勝を手にしたのも同然と歴史は語る。大会の長い記録本を見返しても、ここまで来て、これだけの大差をひっくり返したゴルファーは記されていない。とはいえ、PGAツアーが誇るスター選手らは、これまでとは違った追い上げを見せる可能性もある。
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シンプソンは第3ラウンドを終えて通算19アンダー、2位に7打差をつけて盤石のリードを保った。一方でタイガー・ウッズとジョーダン・スピースは共に大会自己ベストとなる「65」をマークしており、全米オープン優勝経験を持つシンプソンも勝ち切るためにはまだ大仕事が残っている。シンプソンは2013年以降、ツアー優勝から遠ざかっている。
「2008年からプロとしてやっているが、このような大会がいつ訪れるかは予期できないね」とシンプソンは語った。「何より大きいのは、このコースはやりやすさを感じること。不調な時でもここにいるのが楽しい。どうも自分の目にフィットしないコースというのもいくつかあるが、ここはどのホールでもティーショットがすんなり打てる」。
「ゴルフというのは謎な要素があると思う。結果を残し続ける選手というのが一定数存在していて、それはジェイソン・デイ、ロリー(・マキロイ)、ジョーダンといった選手たちだ。でも僕は彼らのようなキャリアを歩んできていないし、そこに驚きもない。僕は自信を持って、努力もして、すごくハングリーな気持ちでやって来た。再び優勝を手にするためにどん欲になっている」。
ウッズは2015年以来のロースコアであり、今大会においては自己ベストとなる7アンダー、「65」を記録。これまでの大会自己ベストは2000年と2001年に記録した「66」だが、いずれもカットラインとなった通算1アンダーでぎりぎり予選を通過した直後に記録した。
「実戦感覚は戻った。あとはしっかり自分のプレーを全うし、ショットをまとめ上げることだ」と語るウッズ。1ラウンドで8バーディーは2014年以降では最多となる。「よかったよ。今日はパットが決まったね。それが今までとの違いかな。過去にもアイアンショットの精度は高かったけど、今日はパットが決まったので序盤から波に乗ることができた」。
同じく「65」をマークしたスピースは、TPCソーグラス通算13ラウンドで自身のベストスコアを更新。ウッズと共に68位タイで予選を通過し、両者共に首位と11打差で最終日を迎える。
スピースいわく、「コースに身を任せた。過剰に意識することもなく、余計なプレーもなかった。実は自分のゴルフがすごくいい状態にあることに気付いたんだ。パッティングがうまくかみ合えば、トーナメント勝利を手にする準備はできている。ショットはすこぶる調子がいいので、あとは2〜6メートルの距離が決まればいいんだが、それも手ごたえを感じつつある」。
そんな2人をもってしても、逆転優勝への道のりは険しい。金曜日に記録的な「63」をマークしたシンプソンは、この日もきっちり4アンダー「68」でまとめた。11番ホールでは10メートルのイーグルパットを沈めて一時的にリードを8打差に広げた。さらにアイランドグリーンの17番ではティーショットを約1メートルにつけてバーディー。この日4バーディーを記録している。
シンプソンを追う後続1番手はニュージーランドのダニー・リーだ。27歳のリーは午後からのスタートとなりノーボギーで回った。後半2バーディーとスコアを伸ばして通算12アンダー、通算10アンダーのダスティン・ジョンソンに2打差をつけて単独2位で3日目を終えた。
「スコアボードの影響は受けない。ここではただゴルフをして、どんな結果がついてくるか待つのみ」とリーは言う。「ラウンドを終えた時のスコア、それがすべて。でもプレー中は自分の順位やリーダーの状況など気にならなない。それが僕の戦い方だ」。
シンプソンの7打差リードは、54ホール最多ストローク差リードの大会記録に並ぶ。また、今季ツアーにおける同記録も更新した。これまでは10月に開催されたWGC HSBCチャンピオンズでジョンソンが54ホール後に記録した6打差が最大リードだった。
シンプソンが同リードを保って優勝を果たせば、大会史上、最多ストローク差優勝の記録に並ぶ。1997年大会でスティーブ・エルキントンが7打差勝利を飾って記録を樹立した。
「最後に勝たなければ意味がない」と語るシンプソンは、1994年にグレッグ・ノーマンが記録した大会の54ホールベストスコアに並んだ。「過去の記録などは明日勝てた時にぜひ知りたいとは思うが、今は考えたくない。前だけを見て、普段の試合と変わらない土曜の夜を過ごし、明日の朝に備える。今はそれしか考えていない」。(提供/PGA TOUR)
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