毎週、ゴルフツアー会場で選手たちを撮影し続けるプロカメラマン。インサイドロープでプロゴルファーの凄みや熱気を感じ、ときおり会話のやりとりを見聞きするなど、”試合中の選手たちに最も近いメディア”であるツアーカメラマンが見た印象的な景色を紹介する【日本ゴルフツアー選手権編】。
18番グリーンを後にする中嶋常幸
今季で「日本ゴルフツアー選手権」を“卒業”すると名言した中嶋常幸。「後輩たちにひとつでも、メジャーの真剣勝負の舞台を譲ってあげたい」と語った中嶋だが、その言葉を体言するような場面があった。
初日を5オーバー・116位タイで終え、予選落ちは濃厚。ツアー選手権での最後のプレーとなった第2ラウンドは、初日に引き続き丸山大輔と、注目の若手選手のひとり、稲森佑貴と回った。そこで中嶋の若手への思いが表れた、このシーンを振り返ったのは村上航カメラマンだ。
「2番から3番までに移動する間ですね。けっこう長い距離を歩くんですが、その途中です」。カメラを向けると、中嶋がカメラマンに気づいた。「そうしたら、いきなり稲森選手を指差したんです。まるで『俺はもう引退するから、新しいやつを撮れ』というように」。(村上カメラマン)
これまで追ってきた中嶋の姿の中でも、ひときわ印象に残るシーンとなったに違いない。
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