<全米オープン 事前情報◇13日◇シネコック・ヒルズゴルフクラブ(7440ヤード・パー70)>
ニューヨーク州ロングアイランド・サウサンプトンにあるリンクススタイルのゴルフコース、シネコック・ヒルズゴルフクラブ。改修を手掛けたウィリアム・フリン氏の最高傑作と謳われ、1896年、1986年、95年、2004年と過去4回の全米オープン開催を誇る名門だ。そして今年、18年大会で5度目の開催を迎える超難関コースの全貌を探る。
■2004年大会の最終日平均ストロークは…「78.727」
コースはウォーターハザードが1つしかないものの、長く密度の濃い芝が特徴で、ラフはフェスキューが生い茂り、フェアウェイはウィンターライグラス、グリーンはベントを採用している。
04年大会の開催時は全長6996ヤードのパー70。最終日の平均ストロークは「78.727」という超難関セッティングに仕上げられていた。今年は全長も7440ヤードまで延び、ティショットからパターまで高い精度でのボールコントロールが要求されることは、まず間違いない。
■丸山茂樹が回想…7番のグリーンは「試合中に散水」するほどの硬さ
そんな難コースだが、出場経験のある選手の目にはどう映っているのだろうか?
04年大会で4位タイとなった丸山茂樹は、「シネコック・ヒルズはリンクススタイルだが、打ち上げのホールもあれば、打ち下ろしのホールもある。砲台グリーンになっているホールもあり、イングランドやスコットランドのリンクスとは少しテイストが違うように感じた。米国独特のレイアウトとうまく融合されたコース」とその特徴を語る。
丸山には特に印象に残ったホールが2つあるという。1つが7番パー3。「決勝ラウンドの7番グリーンは特に硬く、どの選手もティショットをグリーンに止めることに苦戦していた」とその時の状況を思い出す。そして、「乗ったとしても、パターで転がしたボールが、あっさりとグリーンからこぼれ落ちていったほど。おそらく試合中にグリーンへ散水したのは、このホールだけではないか」と振り返った。
もう1つが、18番パー4。「ティショットは落としどころが狭く、セカンドショット地点からグリーンに向かって急激な打ち上げになる。当然、グリーン面は見えず、距離感を合わせるのが非常に難しい」と苦戦。「最終日は何打リードしていても気が抜けない」というプレッシャーが押し寄せたという。
その難しさは04年の優勝者レティーフ・グーセン(南アフリカ)に、「精神的にタフなコース。ティグラウンドにボールを置くのもうんざりだった」と言わせるほど。今年も多くの選手が苦しめられることだろう。一体今回は、どんなドラマが シネコック・ヒルズGCから生みだされるのか? 世界一過酷な戦いが、いよいよ始まる。
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