<ダンロップ・スリクソン福島オープン 3日目◇23日◇グランディ那須白河ゴルフクラブ(6,961ヤード・パー72)>
「ダンロップ・スリクソン福島オープン」3日目で、石川遼劇場が開演した!トップと5打差のトータル4アンダー・21位タイから出た石川が、10バーディ・ノーボギーの「62」とビッグスコアをマーク。トータル14アンダーまで伸ばし、山岡成稔と並ぶトップタイでラウンドを終えた。
【写真】石川遼首位浮上!ダンロップ・スリクソン福島オープン特選写真
最終18番ホール。2オンに成功した石川が、ピン右4mの位置からイーグルパットを放つ。カップの手前でフックし、わずかに外れたことを確認すると思わず天を仰いだが、その後楽々バーディ。トーナメントリーダーとして、クラブハウスに帰ってきた。
「うまくいった、ハマった、今日はそういうゴルフ。スコア以上(伸ばした)感じがしています。充実していました」
石川は、3日目のラウンドをこう表現した。出だしの1番で4mのバーディパットを決めると、4番、8番でもスコアを伸ばし前半を折り返した。そして、そこからは、まさに圧巻のプレーが続く。10番で9mのバーディパットをねじ込むと、そこから5連続バーディ。16番パー4ではティショットが左ラフ、さらにセカンドは右ラフへと行ったが、12ヤードを残した3打目をチップイン。そして、18番で大会コースレコードを更新する「10アンダー」を記録。ムービングデーという言葉を体現したような18ホールに幕を引いた。
「前半はバーディが3つだったけれど、チャンスにはつけられていた。後半になるにつれショットがよくなった。成長できている」と会心のラウンドとなった。長く悩まされていたドライバーも上向き。いずれもドライバーを握った4つあるパー5のうち、3つでバーディを奪うなど、かつてティショットを語るときに見せていた暗い表情は一切ない。
「球がねじれなくなって、ストレートな球が打てている。ねじれながらフェアウェイに行くのと、まっすぐでフェアウェイをキープできないのでは、意味が違う。しっかりと体になじんでいる。今後が楽しみです」と長いトンネルの出口は、もうすぐそばまで来ている。それどころか、「関西オープンのときには、いくら練習してもきついな〜と思ってしまっていたけど、もしかしたら考えすぎなだけで、『たいしたことではなかったのかもしれない 』 とすら思います」という言葉も飛び出した。
2016年「RIZAP KBCオーガスタ」以来のツアー15勝目に王手をかけた石川。さらに優勝すると中嶋常幸の28歳10カ月29日を抜く最年少(26歳9カ月7日)での15個目のツアータイトル獲得となる。復活の舞台は整った。
「自分がいいと思うゴルフができれば、2位に4、5打差をつけて優勝することができると思う」と前日に続いて話した石川は、「今日のスコアだからいうわけではないけれど、自分の意識が下がっていないことを再確認できた。世界で活躍する選手になりたい。そのために一瞬一瞬を生きていきたい」と胸を張った。ずっと描き続ける未来を実現するため、まずは久々の優勝をその手でつかみ取る。(文・間宮輝憲)
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