キャロウェイとクラブ契約を結ぶ石川遼。そのキャロウェイからは、2018年の新作ドライバー「ローグシリーズ」がすでに発表されているが、石川が手にしているのは「XR 16 ドライバー」。16年春に発売されたモデルだ。
【写真】ISPSハンダマッチプレー選手権を写真でプレーバック
ローグシリーズはすでにテスト済み。現在も持ち歩き、度々テストを行っているというが、今のところ変更の予定はなさそうだ。キャロウェイ担当者によれば、石川はもともとクラブ選びに関してかなり保守的。練習で相当な数の打ち込みを行い、確信が持てるまで実戦投入はしないという。昨年10月の国内ツアー復帰当初からスイングの調整を行ってきたことを考えると、なおさらクラブを変えるタイミングではなかったのだろう。
今季からジャパンゴルフツアー選手会長に就任したことも一因する。ツアーにフル参戦する合間にも会長業務に追われ、練習やテストに充てていた時間が削られていることもある。
加えて、XR 16は“苦楽をともにした”相棒。昨年11月の「三井住友VISA太平洋マスターズ」では、試合前の朝早くに練習場に赴いて約200球を打ち込むなど、驚くほどの練習量を積んでいた石川。昨年10月の国内復帰戦「日本オープン」から5試合連続で予選落ちした際、スイングを作り込むためにこのドライバーで何万球も打ち込んだ。
もともとXR 16を使用する前は「GBB エピックスター」を使用。「ジェイルブレイクテクノロジー」と呼ばれる2本の柱がフェースの裏側に配置されている同モデル。新作のローグシリーズはこの進化形にあたるため、違和感なく使用できてもおかしくない。事実、担当者によればXR 16よりも初速などの数字もいいという。
それでも、なかなか新モデルに替えないのは、苦しいときを乗り越えてきたことへの信頼感があるからだろう。先週の「ISPSハンダマッチプレー選手権」では1回戦で敗退したものの、「ここ1ヵ月ほど、ゴルフの状態は悪くない」と安定した状態で練習が行えている様子。XR 16を手に状態が落ち着いてきたならば、簡単に替えることはないだろう。
これまでドライバーの改善に注力してきたが、「今はドライバーからアイアンまで、一貫した練習ができている。今までは練習場ですらできていなかったが、今は練習場でできて、練習と試合ですりあわせている状態」。昨年の国内ツアー復帰時から、これまで作り上げてきたものを壊してスイング改善につとめてきた。国内での再スタート後、XR 16で作り上げてきたものがようやく完成の兆しを見せているようだ。
<ゴルフ情報ALBA.Net>