<ゴルフ5レディス 初日◇31日◇GOLF5カントリーみずなみコース(6,545ヤード・パー72)>
女子大生プロが好スタートを切った。「ゴルフ5レディス」初日、日本体育大学に在学している河本結が6バーディ・ノーボギーの「66」でラウンド。サスペンデッドとなる前に18ホールを回りきり、暫定2位タイの滑り出しを見せた。
今季プロテスト合格〜喜びの表情を見せる河本結【写真】
ステップを主戦場としながらも、ツアー転戦の合間を縫って通学している河本。現在2年生。スケジュールは決してラクではないが、「行かなければいけない場所ではなく、行きたいと思う場所」と楽しく通っている。「合コンは全くない(笑)みんな部活で忙しいですから。キャンパスライフの楽しみは学生食堂!でも色々な競技の選手から刺激をもらっています」と普通の女子大生とは、少し違う大学生活をエンジョイしている。
一年目は日体大ゴルフ部として、プロテストを受けず、大学の試合に出場していたが、翌年のツアー出場を狙い、QTは受験。だが、サードを突破できず、単年登録はしたもののレギュラーツアーの出場権は得ることができなかった。
そんな時に出会ったのが現在のコーチである目澤秀憲氏。友人の縁がきっかけで教わることになったが、アメリカのレッスンプロの資格TPI(Titleist Performance Institute)のレベル3を取得している目澤の教えは、「すごく科学的で、海外のスイングとかを取り入れている」と目からうろこだった。
師事してからというもの、世界ランク1位のダスティン・ジョンソン(米国)をはじめ、様々なPGAツアーの選手の動画を見ては参考にしているが、河本が特に名前を挙げたのがジャスティン・トーマス(米国)。トーマスと言えば地面を蹴り上げる動作が特徴的だが、それ以外の部分も取り入れているという。1つ挙げたのが「トップの形を作らないようにしている」こと。
「トップは作るものではなく、作られるものだと思っています。日本のゴルファーはクラブを上げて、トップを作って一度止まろうとしますが、向こうの人たちは止まろうとしていない。クラブを上げていく中で、左腰を左サイドに切りかえしたところが向こうの人たちのトップ」。
切り返しのタイミングは人によってまちまちで感覚的なものと説明するが、「私の感覚としてはバックスイングが腰くらいに上がった瞬間くらいに左腰を切りかえしていますが、実際には(手元が)胸より上まで上がったところだと思います。何回も練習してきて自分の中に染みついたタイミングです」。
クラブが頭上に上がりきらない段階で左腰を回転することによって、上半身と下半身のねじれが生まれ、パワーが生まれるということ。河本がいうようにタイミングがはまれば大きなパワーが生まれる。
その他にも様々な要素を取り入れた結果、ドライバーで10ヤードの飛距離の飛距離アップに成功。「235〜240ヤードくらいのバンカーは上を行けるようになった」と成果は目に見えて現れた。それ以外にも「球筋を変えるのはボール位置と体の向き・前傾角」と教わり、様々な球筋を取得できたのもコーチと出会えたからだ。
「目標にしているのは世界。いまはそこに行くための過程で、1日でも無駄にしてはいけないと思っています。もちろん勝ちたい気持ちはありますが、それは内に秘めて。課題のマネジメントにも、しっかりと取り組んでいきたいと思います」と話した河本。元世界1位のエッセンスも取り入れながら、高みを目指していく。(文・秋田義和)
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