<日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯 3日目◇8日◇小杉カントリークラブ(6,605ヤード・パー72)
約2カ月ぶりの復帰戦ながらトータル3アンダー・14位タイで予選を通過した鈴木愛。しかし、3日目には「人生で初めて」というプレーで、一気にスコアを落とし、トータルイーブンパーの31位タイへと後退した。
【写真】雨中の戦いを特選フォトで振り返る
ホールアウト後。「何も言う事はない…」と口を重くした鈴木。その理由はトリプルボギーを記録した8番のグリーンにあった。
雨が降ったり止んだりという不安定な天候のなか、2バーディ・2ボギーとスコアを維持したまま迎えた8番パー5。「いいショットだった」という3打目はグリーンを捉えるも、二段グリーンの傾斜に跳ね返され、ピンから約30mの位置で止まった。この距離に加え、さらに下段にボールが置かれるという状況に、鈴木は「距離感が分からない」というままパターを握った。
「かなりしっかり打った」というファーストパットは、段を上りきることなく戻ってしまう結果に。これでさらに距離感覚を失ったのか、次はピンを超えグリーン奥のカラーまで転がしてしまう。そこからカップインまで、さらに3パット。「人生で初めて(1ホールで)5回もパットを打ちました」と意気消沈するホールとなってしまった。
それでもこの日のトータルパット「28」であがったのはさすがパット女王といったところだが、この“5パット”(※)という記録に、「その後、切り替えることができなかった」とポッキリ心を折られてしまった。「8番以外はそんなに悪くなかったので…久しぶりに腹が立ちました」とその後、立て直すこともできず。「後半バーディを獲って行こう」という決意もむなしく、そこからは1バーディ・1ボギーと後味の悪いままのホールアウトとなった。
明日気持ちを切り替えられるか?という質問には、長い沈黙の後「60台を目指します」と力なく答えるのが精一杯。ケガからの復帰の舞台は「ほぼぶっつけ」という状態ながら決勝ラウンドに進出し、今後の手ごたえを感じるとともに、苦い記憶が残る場所にもなってしまった。(文・間宮輝憲)
※LPGAの規定で「最初に球がパッティンググリーンに乗った後のストロークは全てパット数に数えるものとする。(パッティンググリーン上で救済した球がパッティンググリーン外でインプレーになった後のストロークも含む)」とあり、鈴木の8番グリーンはカラーから打ったものも含めて「5パット」と記録された。
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