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伸ばし合いの大会を制した香妻琴乃 取り戻した“強気のパット”と“ボディターン”【辻にぃ見聞】

香妻琴乃の涙のツアー初優勝で幕を閉じた「マンシングウェアレディース東海クラシック」。最終日に自己ベストタイの「64」をマークし、3打差を逆転しての優勝はどのようにしてもたらされたのか。上田桃子らを指導する辻村明志コーチに詳しく聞いてみた。
【写真】カップにキス!香妻琴乃、涙の勝利を写真でもう一度…!
■イメージを出しすぎないパターも時には必要
2009年以降9年連続で優勝スコアが二桁アンダーとなっていたこの試合。今年もトータル15アンダーと、例年通りの結果になった。「プロで伸ばし合いが得意という人はほとんどいません。粘り合戦で勝ってきた人達の集まりなので」と辻村氏は話す。
「伸ばし合いを制するには、どうしてもパットの出来が重要になってくる。しかし、どれだけ短いといってもバーディパットを決め続けるのはプレッシャーがかかります」
さらに今大会のグリーンは初日に降った雨の影響もあり、選手は口々に「重くて遅い」と話す状態。スピードを合わすことができず、苦しめられた選手も多かった。「パットはイメージを出しすぎると、カップまで届かないということが多々起こります。状況に合わせて、大胆に打たないといけない時もある。今大会は、まさにそうでした」。グリーンも止まるため、ピンをデッドに狙って、確実にパットを沈める。さらに、リーダーボードを見て、例え他の選手が伸ばしていても、そこから落ち着いてプレーできる心持ちが必要となってくる。
■香妻に流れを引き寄せた1番のバーディパット
このコンディションにおいて、2014年の平均パット数(パーオンホールのパット数)でツアー1位を記録し、かつてパター巧者としてならした香妻の優勝は、うなずける話だ。そして、最終日に香妻を勢いづかせたのが、1番でピン左下5mから決めたバーディパットだと辻村氏は語る。上りのミドルパットをしっかりと沈め、この日のラウンドを掌握した。
「距離を残したパットが届かないという選手も目立ったなか、香妻選手はしっかりと届かせた。もともとストロークがキレイで、強い球を打つことができる選手です。パットに苦しんでいたようですが、かつての強気のパットが戻ってきました」
パットの不振に苦しんでいたのは香妻自身も語っていたこと。しかし、最近の試合では「自信が持ててきた」と、グリーン上での戦いに手ごたえを示していた。「悪い時は、1〜2mの距離も打ち切れなかった」という姿は、もうそこにはない。自信を持って、ショートからミドルレンジのバーディチャンスをことごとく決めて、8つのバーディを奪った。
■背が小さくても飛距離が出る理由
また、スイングでも苦しんでいた時期との違いを辻村氏はこう見出す。
「ここ2年ほどの香妻選手を見ていると、スイング時に手でこねる、手だけで合わせるスイングになっていました。これは体の回転に腕とクラブ合っていないということ。こうなるとインパクトゾーン付近でタイミングがずれてしまいます」
ボディターンを使ってスイングができていないため、しっかりと振り抜けていない時期が続いたと辻村氏は話すが、それも最近では腰の回転がスムーズになってきたという。また香妻のスイングは、もともとが「個性的」と辻村氏は続ける。
「香妻選手のスイングはトップポジションに特徴があります。トップで手首をルーズにして、右わき、右ひじを大きく開ける。トップの位置でヘッドが地面を一回差すくらい上げる。これは、横峯さくら選手と似ています。このスイングはフェードボールを生み出すのですが、これは(横峯同様、香妻がゴルフを学んだ)『めだかクラブ』の流儀なのかもしれないですね」
このスイングが、身長157cmと決して大きい方ではない香妻に「飛距離でアドバンテージを取られない」(辻村氏)という効果をもたらししている。香妻の今年の平均ドライビングディスタンスは241.06ヤード。これだけ稼げればティショットで大きく置いていかれることはない。
「横峯選手(155cm)も香妻選手も、身長はそんなに高くない。それでもしっかりとツアーで戦っている。おそらく『小柄でも飛距離を武器にしないと勝てないよ』という考え方があるのではないでしょうか。小さくても飛ばす工夫が“めだかクラブ流”スイングのトップポジションにあるのではないか」。そう辻村氏は見ている。
■キレを取り戻した香妻
今大会では“減量”を続ける香妻の話も大きく報じられた。香妻はこれについて、「当初は夏バテ対策で増量を目指していましたが、食べ過ぎてしまいました」と大会中に苦笑いを浮かべていた。辻村氏も「アスリートとしての体の大きさではなく、体が動かない増やし方をしていました」と見ていたという。
会場で香妻と話した辻村氏は、こんな話を本人から聞いたそうだ。「夜、ランニングをするようになりました。それがあるから夕飯の時間も早まって、走った後も朝まで何も口にしません」。現在は揚げ物なども控え4kg弱の減量に成功。「体のキレが戻ってましたね」と、取り組みは実を結んでいる。また腰痛が原因で減っていた練習量も、今では増やしていることを香妻は明かしていた。
「ここから、さらに上を目指して、トレーニングを積むのか。それともこれまでと同じ道をたどってしまうのか。どちらの道に進むのか。大事な局面になってきますね」
ツアー2勝目に向け、香妻がゴルフとどう向き合うのか。今後の動向にも注目したいと辻村氏は話した。
解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、比嘉真美子、藤崎莉歩、小祝さくらなどを指導。様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。

<ゴルフ情報ALBA.Net>

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