<スタンレーレディス 事前情報◇4日◇東名カントリークラブ(6571ヤード・パー72)>
先週の「日本女子オープン」でユ・ソヨン(韓国)、畑岡奈紗と米ツアーを主戦場とする2人と優勝争いを展開し、3位に入った菊地絵理香。5日(金)に開幕する「スタンレーレディス」に向けては、「疲れはあまり取れてないですね(笑)体はもちろん、頭も(疲れている)」と苦笑いを浮かべた。
それでも指定練習日となった3日(水)には会場に姿を見せてショット、パッティングに取り組んだ。「月曜、火曜と休んだのでやりました。あまり振らない期間があると感覚が変わってしまう」といつもと変わらないルーティンで試合へと向かう。
疲労があるだけに本調子とはいかないが、「そのくらいの方がいいかな」とも。「あまり得意なコースでもないので、自分に期待しすぎずにのんびりいきたいなと思います」と平常心で戦う。
だからといって、やる気が湧いてこないわけはなく、むしろ意欲的。「ショット力を上げないと、メジャーでは優勝できない。ティショットをフェアウェイに乗せ、100ヤード以内をきっちりピンにつけることができないと。ソヨンはそのショットを打ち続けた」と、元世界1位のソヨン、今季米ツアー初勝利を挙げた畑岡から受けた、悔しさと刺激は強く残っている。「壁は高かったが、課題は明確になりました」。
「100ヤード以内の精度」は菊地がかねてから課題として公言しつづけていること。約2年前の2016年末には「ジエ(申)は私と同じくらいの飛距離だけど何度も勝利を挙げている。いまの力で3mにつけられるところを、1m以内にしたい」と話していた。その気持ちは今でも変わらず、今季も痛感させられた。
「少しずつレベルは上がっていると思います。寄る回数、確率は上がっている。ただまだまだ課題ですね。今年、女子プロ選手権で優勝したジエと予選で一緒に回りましたが、彼女はティショットは多少ブレていましたが、100ヤードの距離からはしっかり寄せてのパーセーブを徹底できていましたから」
今年で30歳を迎えたが、愚直さは変わらない。「練習で徐々に良い感触を得られればいい。時間をかけて覚えたものは忘れにくいので、自分のものにしていきたい」。焦らず一歩ずつ歩みを進める菊地。表情からは落ち着きを感じさせたが、その胸の内の炎はつねに熱く燃えている。(文・秋田義和)
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