<ULインターナショナル・クラウン 初日◇4日◇ジャック・ニクラスGCコリア(6,508ヤード・パー72)>
チームで7バーディを奪い、初戦を引き分けに持ち込んだ畑岡奈紗と上原彩子のジャパンコンビ。強豪タイを相手に最後の最後まで手に汗にぎる接戦を繰り広げた。
【写真】こちらはプロアマ戦でニッコニコのイ・ボミ
両肩に日の丸を背負いスタートホールに向かったチームジャパン。ティオフ前には君が代がコースに響き渡り国旗が高く掲揚(けいよう)され、2人の表情も引き締まった。日本代表のトップバッターとして1番のティショットを放った畑岡と上原。ともにパー発進だったが、バーディとしたタイに先制される。それでも2番で畑岡がバーディを奪い返しオールスクエアになると、その後も取っては取られのシーソーゲーム。9番でバーディを奪ったタイが1アップで後半に入った。
上原が11番でバーディを奪いオールスクエアに戻すと、12、13番は両チームともにパーで分けたが、14番で試合は動く。263ヤードのパー4はコースの名物ホール。ここで見事ベタピン1オンに成功したポーナノン・パットラムがイーグルとすると、再び1ダウンのまま終盤に突入した。
15、16番でも取り返せずに、1ダウンのまま残り2ホール。17番のパー3は先にタイチームがティショットを放ち、パットラムが約1メートルにつけるチャンス。ここで、日本のエースが、貫禄のショットを見せた。バーディを奪わなければ負けがほぼ決する勝負のホールで、畑岡のティショットはピン奥2.5メートル。これをねじ込み大きくガッツポーズを見せると、そのまま1ダウンで最終ホールに入った。
「残り2ホール以外は自分らしいプレーができなかった」と悔しさを見せた畑岡だが、続く18番パー5も圧巻だった。ティショットをフェアウェイに置くと、「残りは235ヤードで3番ウッドです」と、セカンドショットを花道へ。22ヤードのアプローチは30センチにピタリ。OKバーディを奪うと、タイチーム2人のバーディパットを待った。ともに1ピンほどの距離をそろって外し、日本チームの引き分けが決まった。
「流れ的には、私が池に入れてしまったり、もう少しアグレッシブにプレーできて、バーディを獲られてももっとバーディを獲り返せていたら、と思います。ショットをもっと安定させたいですね」と反省を口にした畑岡だが、上原とのコンビで健闘は見せた。「私は奈紗ちゃんにおんぶに抱っこ。本当に心強かったです」と上原がいえば、「彩子さんにたくさんひろってもらったのでチームワークはいい」と米ツアー組の息は合っている。絶妙な年の差コンビで、引き分けの1ポイントを奪ったのは「本当に大きい」と、あすもこのコンビでスウェーデンに立ち向かう予定だ。
土曜日に台風25号が韓国を襲うと予想されるため、2日目の金曜日は早朝7時から第2ラウンドのマッチを行い、すぐに第3ラウンドのマッチもスタートさせて「いけるところまでいく」と大会側は決定。「悪天候もあって、あしたは精神的にも体力的にもタフだと思うけど、決勝ラウンドにちゃんと進めるようにしたい」と気持ちを引き締めた上原。もう1つの日本ペア、成田美寿々と比嘉真美子が敗れているだけに、あしたは言うまでもなく、女子世界一に向けてハードな日となりそうだ。(文・高桑均)
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