12月2日(日)、小田急百貨店新宿店ハルク ニューバランスゴルフ店舗にて、有村智恵がトークショー&サイン会イベントを開催。集まった多くのファンの前で、2018年シーズンを振り返った。
今季「サマンサタバサ ガールズコレクション・レディース」で6季ぶりの優勝を果たした有村。イベントブースに登場するや、ファンから祝福の声をかけられ、またショップから記念のNBオリジナルTシャツをプレゼントされると満面の笑みを浮かべた。
2012年「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」以来の優勝で“2135日ぶりの勝利”と大きく報道されたが、実はこの日数は、契約するニューバランスにも縁のある数字。米国・ボストンにあるニューバランス本社の郵便番号が“02135”で、有村が優勝する以前から、同ブランドアイテムのデザインにも採用されていたことを聞くと…、
「すごくないですか!! 持ってますね(笑)あの日に優勝しないとこの一致にはならなかった。(ニューバランス)と運命的なものを感じます」と驚きの表情を浮かべた。
6月の「宮里藍 サントリーレディス」では、成田美寿々とのプレーオフに敗れて優勝を逃したが、同大会での心境がサマンサタバサ-での勝利に繋がっていた。「私は“のめり込むタイプ”ですが、サントリーではキャディさんと“最終日の残り9ホールまでは楽しんだほうがいいね”という話をして、結果が出せた。サマンサでも45ホール目までは楽しんで…最後のバックナインで同じ(ニューバランス)契約の(青木)瀬令奈ちゃんが首位に立っていて、その後ろがあまり伸ばしていなかったときに“ここでスイッチをいれよう!”と。こんなにもメンタルコントロールが上手くいった試合は初めて。すごく成長を感じました。優勝争いでは周りが見えていないことが多かったですが、今回はすべてを覚えているくらい」と、精神力の向上が6年ぶりの勝利につながったと話す。
「サントリーまでは“自分自身の手応えがないと結果は出せない”と思っていましたが、“手応えがなくても結果が出せる”というところまで戻ってこれた実感を得られた。そこからは優勝を意識して、試合に入っていくという思考に転換できたんです」と、30歳を超えて達成したツアー通算14勝目は感慨深い勝利だったというが、そこに契約先との奇跡的な一致が加わった。
初優勝を果たし、トッププロの仲間入りを果たした2008年から10年。今季の国内女子ツアーの現状について聞かれると、「入れ替わりが激しいといわれますが、トップの選手たちは変わらない印象。同世代も多いですし、賞金女王のアン・ソンジュさんも同い年。年齢は関係ないと思います。自分が苦しい時期に、同級生や先輩たちが、同じようにもがきながら苦しんで結果を残している姿を見て、刺激を受けたからこそ、ここまで頑張ってこれた。もちろん若い選手もいいプレーヤーが多いので、その選手たちからも“盗みたい”と思っています」とまだまだ成長への意欲は十分。
トレーニングへの考え方も変わってきたようで、「いままでアウター(マッスル)が強かったぶん、体の内側の“しなやかさ”が出せていなかった。アプローチにすごく影響があったんです。(体の)固さを取るために、トレーニングを変え、しなやかさが徐々に出てきて、飛距離も伸びた。全体的なパワーアップも大事ですが、鍛え方によって、さまざまなことが変えられると実感しているので、今年は“力を抜いて飛ばす方法”を覚えたい。“軽く振っているのに飛ぶ”という選手になれるような体つくりをしていきたい」と進化への抱負を語った。
最後に“今年の漢字”を聞かれると『改』と回答。
「今年を振り返ると“リセット”という言葉がでてくる。改めて再出発という意味もあり、14勝目を飾ったけど、そのあとの戦いぶりには納得できていない。いい年ではありましたが、反省するべきことをして次に進んでいきたいな、という気持ちのほうが強いですね」と意気込んだ。
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