<男子ファイナルクォリファイングトーナメント 最終日◇4日◇セントラルゴルフクラブ・茨城県 西コース(7165ヤード・パー72)>
200人近くの選手が臨むファイナルQT。今季、2013年から6年間守ってきた賞金シードを手放した永野竜太郎が、その過酷な競争から這い上がってきた。
永野竜太郎は100万円ゲットでこの笑顔【写真】
来季のリランキングまでの前半戦にほぼフル参戦をするためには、QTでおおよそ20位前後に入ることが目安となっている。「来年出るためには、一つでも順位を落としちゃいけない。ここに戻ってきた以上は這い上がらないといけない」とプレッシャーと戦いながら臨んだ6日間。4日目を終えて46位タイとなっていたが、5日目に「62」をたたき出して12位タイに浮上すると、最終日には「68」をマークして、トータル21アンダーで9位に食い込んだ。
「昨日ビッグスコアを出しているから、今日は難しくなると思っていたし。最後は青木功さんも見ていたので、バーディパットを外したら絶対なにか言われるだろうなと。久々に手汗がやばかったです」と冗談交じりに語ったが、上がり2ホールでしっかりチャンスを決めて連続バーディで締めくくった。
今季は予選落ちが13度と振るわずに、賞金ランクは84位と低迷。「自分が目指している部分が高かったので、そこについていけない自分にガッカリして。初優勝もなくて、プレッシャーをかけすぎていた」と、同世代の重永亜斗夢が国内開幕戦でツアー初優勝を挙げたことも重圧に輪をかけて、自分を見失っていった。6年維持したシードを手放したことは当然喜べることではなかったが、再び自分のプレーを取り戻すためには大きな節目となった。
「30歳という年でQTに来たのは、これからのゴルフ人生を見据えていいターニングポイントになったのかなと思う。今のままじゃだめだと言われているようで。まあ、絶対に帰って来たくないですけどね(笑)」とほっとした笑顔を見せる。
もうひとつ縁を感じさせたのが、会場となったセントラルゴルフクラブは、19歳の時に初めてQTに臨んだ際に戦った場所。「スコアだけ見れば、たしかあのときよりも9打はよかった。同じコースでできて、10年前の自分よりは成長しているのを実感できたかな」と、自分を見つめ直す大きなきっかけとなった。
来年の目標は、「常に自分を超えること」。今後は海外ツアーのQT参戦も視野に入れるなど、新たな活躍の場も探していく。「来年は周りに左右されず、強い気持ちで」と、一回り大きくなった自分を超えていく。(文・谷口愛純)
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