「ダイキンオーキッドレディス」でいよいよ開幕した2019年の国内女子ツアー。上田桃子らを指導するプロコーチの辻村明志氏が開幕戦で気になった選手をピックアップ!
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■今年は来る!そう思えたのは…
開幕戦といえば、成績はもちろん選手のオフの成果。スイングが変わった選手、体が大きくなった選手…などなど短い期間でどれだけ準備してきたかも見所の一つ。108人の選手をつぶさにチェックした辻村氏は、初戦を見て「今年はくる!」と思えた選手として松田鈴英を挙げた。
「勝みなみさんや新垣比菜さんら黄金世代と呼ばれる若い選手たちの中で、きっと松田さんがトップを走るんだろうな、と感じました。元々分厚いインパクトという才能を持った選手ですが、去年にも増して全てがよく見えました。天賦の才を持ったプレーヤーがさらに努力したなという印象です。線が細い印象もありましたが、体もしっかりと作ってきました」
■長所を伸ばすだけでなく短所をしっかりと補ってきた
中でも辻村氏が目を見張ったのがパッティング。松田といえば昨年ショットの上手さを表す数値ボールストライキングで6位に入ったショットの上手さが際立つ一方で、平均パット数(パーオンホール)は40位とグリーン上に課題を残していた。そんなパットが大きく変わっていたという。
「去年からやっていたクローグリップ(左手は普通に握り、右手の甲を正面に向けて、グリップの右側から添えるように固定する握り方)に、磨きがかかったような気がします。パッティングが悪い人というのはヘッドが出なくなるんです。このグリップにすると右手でしっかりとヘッドを出せるようになりますから、そういう悩みがある人に有効。松田さんもこの握りにしたことで、グリップエンドとヘソとパターのヘッドが一本の線になる理想的な打ち方をしていました」(辻村氏)
何よりも気持ちの面に変化を感じ取った。「松田さんはショットのインパクトが分厚いのに、パットに緩みがありました。ですが、今年はパッティングでも球際を押せるようになっていました。球を押すためには、フォームやストロークではなく自信が一番大事。得意でない場面でも、気持ちが強く持てるようになっていましたね」
辻村氏が「見ただけで良いのが分かった」とショットもさらに成長。4日間通じてのパーオン率は1位となる79.1667%。「グリーンの小さい琉球で且つ強風が吹き荒れる中、しっかりとした数字を残してる。黄金世代でナンバーワンのショット力です。パッティングにも自信を持てていますし、今年はやってくれると思いますよ!」と太鼓判を押した。
解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、小祝さくら、永井花奈山村彩恵、藤崎莉歩、松森彩夏、山村彩恵などを指導。様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。
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