<ヨコハマタイヤ PRGRレディス 2日目◇16日◇土佐カントリークラブ(高知県)◇6228ヤード・パー72>
開幕戦の比嘉真美子に続き、沖縄県勢が首位で最終日を迎える。それが2009年のプロテストに合格、昨年はギリギリの賞金ランキング50位で2年連続のシード権を守っている大城さつきだ。この日は4バーディ・1ボギーでトータル7アンダーまで伸ばし、ツアー初優勝が見えてきた。
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大城といえば、もっとも記憶に新しい活躍は17年開幕戦。地元大会で初日を首位発進。最終的には3位タイに終わったものの、地元のギャラリーを沸かせた。11年の「リゾートトラストレディス」では、最終日の残り2ホールでボギー、ダブルボギーとリードを明け渡し、横峯さくらに敗れた苦い過去も持っている。
16年まではシード権も得られず、地元以外には拠点を持つことなく過ごした大城は、ミニバンにありったけの荷物を詰め込んで、知人宅や親戚宅に泊まることも少なくなかった。転機は15年。出場試合がなくなったのを機に神奈川県に自宅を借り、一念発起。トレーニングやゴルフへの取り組み方を見直した途端に、成績が上がり始めた。
2年連続シード選手として臨む今季は気づけば30歳を迎えることになる。「節目の年だし。周りからも『そろそろ』といわれるので、今までで1番優勝を意識しています。勝ちたい気持ちが強いです」と、今季にかける思いは開幕から熱い。
初日は1打差2位。そして2日目を終えて首位タイ。シーズン2戦目で絶好の機会を得たが、「ひとのことは気にせず、1打1打を気にするだけ。でも明日はどうしても周りが気になると思う。どうなるのか楽しみ」と、気持ちとの戦いになるのも覚悟の上だ。
12年には父・良雄さんが脳梗塞で倒れた。その後も入退院を繰り返し、現在も入院中の父。初日の15日は良雄さんの79回目の誕生日でもあり、見えない力も大城を後押しする。悲願の初優勝へ「ショットは100点」と自信はみなぎっている。これまでこじ開けることができなかった扉を破り、あとは悲願を達成するのみだ。(文・高桑均)
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