<ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 2日目◇10日◇茨城ゴルフ倶楽部 東コース(茨城県)◇6560ヤード・パー72>
「将来は米国ツアーでプレーしたいです」
これが19歳の才能 吉田優利の最新ドライバースイング【連続写真】
アマチュアの吉田優利は、「68」をマークして“単独トップ”でホールアウトした後の会見で自身の将来像について話した。最終的にはトータル5アンダー・2位タイで決勝ラウンドに進むことになったが、目先の結果ではなく、常々口にしている最終目標に向け、「逆算」をしながらレベルアップをはかっている。
『その将来を、いつに設定しているのか?』そう聞くと、返ってきた答えは「24歳までには」。頭のなかには、明確な“未来図”が描かれている。
例えば、吉田も選出されているアマチュアの日本代表「ナショナルチーム」で食の重要性が説かれると、すぐにプロテインや鶏肉といった高たんぱくの食品を意識的に摂取するようにした。「もともとはお菓子、炭酸などジャンクフードが好きなんです(笑)」という、実に19歳らしい欲も封印している。そのうえでトレーニングに励んだ成果もあって、スクワット時の負荷がかつての30kgから、今は50kgまで上げられるように成長したという。
そんな吉田の指針になっているのが、自室に貼られている“目標シート”。大きな紙を81マスに区切り、その1マス1マスに、今の課題や将来に向け達成すべきことが記されている。中心になるにつれ、より大きな目標が記されているこのシート。今、ど真ん中に書かれているのは『賞金女王』の4文字だ。
その目標をクリアするために必要と考えていることを、隣接するマスに書き、外側にいくにつれ、より目先にある課題になっていくというもの。「内容は毎年更新していきます。クリアしたものや、できていなくても不要と思ったものを見直して、新たなものを追加していきます」。こうやって、プロと戦ってもひけをとらない実力を養ってきた。
今年は、11月にプロテストを控える大事な一年となる。“優勝すればテストを受けずに…”という方法ももちろんあるが、「それができればいいですけど、難しい話だと思っています。まずはプロテストのことを考えて、合格できる位置にいることができれば、その可能性も1%ずつ上がっていくかもしれません」と、まずは現実を見つめる。
首位とはわずか1打差。優勝が見える位置で決勝に進んでも、「プロになるために何が必要で、何が足りないかを考えていきたい」。しっかりと言葉を選んでいる姿は、つい先日高校を卒業したばかりとはとても思えないほどだ。そしてこの大会も「試合のなかでうまくなりたい」というように、上達へのプロセスととらえている。
今月末には海外メジャー「全米女子オープン」を控える吉田に、24歳で米国に行ってから先の“未来設計”について聞いてみた。すると返ってきたのは「まだありません」という答え。19歳がこれから進む道には、無限の可能性が詰まっているようだ。(文・間宮輝憲)
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