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クロウグリップは“スマホ”のようなもの? 手を動かす“特効薬”か、“新たなスタイル”か?【記者の目】

先週行われた「CAT Ladies」。この大会で黄金世代の淺井咲希がツアー初優勝を挙げたが、それはパターの時に「手が動かない」という苦難を乗り越えてのものだった。高校時代から悩まされたこの症状。当時のことを「そもそも手が動かないし、無理に動かそうとするとパンチが入ってグリーンの外に行ってしまう。ホールアウトできずに、目をつぶってパットを打っていました」と振り返った。
イ・ボミは順手派【写真】
そんな淺井が“救いを求め”昨年から取り組んでいるのが、クロウグリップだ。これは左手は普通にパターを握り、右手は指を伸ばして手の甲を正面に向けグリップに添えるだけ、というパターの握り方の一種。淺井は、今も「常に(パットには)不安がある」というものの、症状は改善され、レギュラーツアーで優勝をつかむまでになった。
1年前、この大会で初優勝を挙げた同学年の大里桃子も、昨年末から「短い距離も入らなくなった」とパターに悩みだし、今季途中からクロウグリップに変えた。今季は開幕から予選落ちが続いた大里だったが、「KKT杯バンテリンレディス」の試合中に握りを変えると、その後コンスタントに最終日まで戦えるように。そしてディフェンディング大会を前に「やっと(この大会が)来ました。ここからいい流れに変えていきたいですね」と、思い出の地からの巻き返しを誓っていた。
奇しくもここ2年間の大会優勝者が現在採用しているこのクロウグリップは、近年、女子ツアーの会場でもよく目にするスタイルだ。そして、淺井や大里のようにパターに悩んでいる選手の救済策として、この握りを試すという話を耳にする機会は多い。以前、こちらも黄金世代の一人で、やはりパットの時に手が動かなくなりクロウグリップに変えた高橋彩華に話を聞いた時、握りを変更したことで「パターの時にこんなに手が動いたのは久しぶりでした」と、興奮気味に話す姿が印象に残っている。
そもそも、なぜクロウグリップにすることで、上記の選手たちのような効果を生み出すのか? 河本結らのコーチを務める目澤秀憲氏は、そのメリットについて、こう説明する。
「プロはパット時の右手の感覚が敏感になってしまうのですが、グリップを握らないことで、より左手でリードする意識が強くなり、右手の感覚を抑え込むことができます。また、順手やクロスハンドのように両手での握りに比べ、クロウグリップは、パターを速く動かすことが難しい。そのためどこにフェースが向いているかを自分で感じやすいという面もあります」。そして右手の感覚を抑えることで、「精神的に楽になる部分は大きいのでは」と目澤氏は考察した。
ところで、ここまでの話を含めてもそうだが、このクロウグリップ、パターに悩んでいる選手が手にする“特効薬”というイメージを持つ人も多くはないだろうか? 少なくとも“一昔前”は、そんな考えが根強くあったと思う。
だが、上田桃子らのコーチを務める辻村明志氏は、この握りを取り巻く環境の変化をこう説明する。「ジャスティン・ローズは、この握りで世界1位にもなりましたし、トミー・フリートウッドもパターに問題があるようには見えないなかクロウグリップを採用しています。国内女子ツアーを見ると、まだパターに苦しむ選手のものというイメージはありますが、米国ツアーでは一つのスタイルとして定着しつつありますよね」。
また現在28歳の目澤氏は、こんな考えも口にする。「ネガティブなイメージも持たれるかもしれませんが、僕はスマートフォンのような、新たなテクノロジーという言い方もできると思います。スマートフォンもこれまで無かっただけで、便利さを知るにつれどんどんと広がっていった。新しいものは、どんなものでも最初は否定的な見方をされることは避けられません」。
2005年のマスターズで、プレーオフのすえにタイガー・ウッズ(米国)に敗れたクリス・ディマルコ(米国)がクロウグリップでプレーしたことで、大きな注目を集めたといわれるこの握り。広く知れ渡ってからの年月もまだ浅く、それ以前からゴルフに携わる人たちにはどこか“異端”にも見えただろう。そして、それがやや後ろ向きのイメージを作り出したとしても不思議ではない。
だが、それが小さい頃から“存在”していれば、当たり前のものになる。実際に目澤氏は「中学生くらいの時にディマルコや、マーク・オメーラといった選手がやっているのを見て、『こういう握りもあるんだな』と思った。このくらいの世代から知っていると、抵抗なく、『試しにやってみようかな』という気持ちになる。好きな選手がやっているからマネしてみようかな…、みたいな感じですね」という。さらに「右ひじや、肩のポジションを確認するのにも有効ですし、パターがうまい選手がクロウで練習を行っている姿も見かけますよ」とも“証言”する。
現在は専用のグリップも登場するなど、一つのスタイルとして日本でも確立されつつあるクロウグリップ。この先、どのような“流れ”ができていくかにも注目したいところだ。「ガラケーの方が電話がかけやすい」といった声を、最近めっきり聞かなくなったように…、この握りも“生活の一部”まで昇華していくのだろうか?
話の最後に辻村氏は「クロウグリップに関わらず、即座に『フィーリングがいい』と感じたものが、ずっとその感覚のままいくことはありません。スコスコ入るようになったものは、クロウに限らず、どんなものにも“賞味期限”はあります。問題が鳴りを潜めている間に、根本的な改善策を模索することが重要です」と言った。いつの時代も選手が求めているのは、“特効薬”ではなく、あくまで完全治癒に向けた“解決策”だ。(文・間宮輝憲)
<ゴルフ情報ALBA.Net>

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