前週は韓国で「シンハン・ドンヘ・オープン」が行われ、アジアンツアー、韓国ツアーの面々との熱いバトルが繰り広げられた。今週もアジアンツアーとの共同主管で行われる「パナソニックオープン」。ツアー9勝を誇り、日本ゴルフツアー機構(JGTO)の広報担当理事を務める佐藤信人が挙げた注目選手は?
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■今年一番ラフが長い?飛ばし屋有利の条件がそろった東広野
「長嶋茂雄INVITATIONALセガサミーカップ」、「フジサンケイクラシック」など、例年より長いラフが難易度を上げていたが、今回もさらに長いラフが待ち構えているようだ。「今年のツアーの中で一番長いというくらい、ラフが深いようです」。しかし、ラフに入ったらただ出すだけ…、というわけではなく、グリーンまで持っていける絶妙な深さに仕上がっているという。
「通常のトーナメントだとコンパクション(グリーンの硬さ)が23くらいの設定が多いのですが、今回は現状で21」。週末までに22〜23までに仕上げる予定となっているが、今回のグリーンは軟らかめ。東広野はグリーンの傾斜が強いため、速さもそこまで出さない予定だ。となると、「ラフが深くてグリーンが軟らかいので、飛ばし屋にすごく有利な条件。アジアンツアーとの共同主管大会でも、日本開催のときは日本人選手が勝つことが多いですが、アジア側の選手も手強いと思います」。
■飛ばし屋がゴロゴロ 注目のアジアンツアー選手は?
アジアンツアーの今季のドライビングディスタンスを見てみると、トップが329.75ヤードで、そこから300ヤード超えの選手が46位まで続く。一方で日本ツアーはトップが320.34ヤード(チャン・キム)、そこから300ヤードを超えているのは300.39ヤードの16位(小斉平優和)までとなっている。
「注目なのは、ザック・マリー、マイカ・ローレン・シンですね」。オーストラリアのマリーは、今季の「ニュージーランドオープン」で優勝。日本ツアーには今季5試合に出場しており、ランキングには入っていないがドライビングディスタンスは316.88ヤードをマークしている。米国のローレン・シンは、今季「アジア・パシフィック ダイヤモンドカップ」で優勝争いに食い込み2位タイ。こちらも307.63ヤードの飛距離を誇る。
「アジアの選手にとって、日本ツアーの出場権が得られるのは高いモチベーションになると思います。今年はZOZOもあって日本から米ツアーへもつながっているし、先週につづくアジアンツアーとの大会で、熱を上げてくる選手も多いと思います」。
■対抗馬は今季好調のあの選手
対する日本ツアーの選手で名前が挙がったのが岩田寛。「ここのところ、出場している試合では8試合連続で予選落ちもない。東広野で行われた08年のダイヤモンドカップでも3位タイに入っていて、コースのイメージもいいでしょうし飛距離も出る」。今季は「ダンロップ・スリクソン福島オープン」で優勝争いの末3位タイ、「フジサンケイクラシック」では最終日に「64」をマークして2位タイに入るなど流れも悪くない。
「このコースはもともとショットメーカー向きのコースですが、今年の条件は飛距離が出る人が有利」。先週のシンハン・ドンヘ・オープンは南アフリカのジェイブ・クルーガーの勝利で終わったが、今週共催大会を制するのは、果たして。
■佐藤信人(さとう・のぶひと)
1970年03月12日生まれ、千葉県出身。高校卒業後に米国に渡り、陸軍士官学校を経てネバダ州立大学へ進学。1993年に日本のプロテストに一発合格。97年の「JCBクラシック仙台」で初優勝を挙げた。ツアー通算9勝を誇り、現在はJGTOの広報担当理事も務める。
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