<パナソニックオープン 初日◇26日◇東広野ゴルフ倶楽部(兵庫県)◇7058ヤード・パー71>
日本とアジアンツアーの共同主管大会が開幕。約半数を韓国人選手やアジア諸国の海外勢が占めており、名前を読み上げるのも一苦労。そんな中、日本ツアーでは見慣れない“NAOKI SEKITO”の名前が3アンダー・11位タイに食い込んだ。
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「“関藤”って書くんですけど、なかなか読んでもらえないんですよね」と苦笑する21歳。現在、アジアの下部ツアーで注目を集めている日本人選手だ。高校卒業後はオーストラリアに2年留学。昨年帰国して日本のプロテストに合格したが、QTで失敗してアジアへ軸足を移した。そこからアジアの下部ツアーに参戦し、同ツアー2勝を挙げて現在賞金ランクはトップ。アジアでも、日本人初の同ツアー賞金王誕生への期待が高まっており、今回はその活躍が主催者の目にとまって推薦枠を手に入れた。
下部だけでなく、アジアのレギュラーツアーでも躍動。推薦出場した今季の「インドネシアオープン」では5位タイに入って賞金ランク84位に浮上し、「今週頑張れば、アジアンツアーのシードも見えてくる」。世界ランキングは277位となっているが、日本勢で見れば谷原秀人を抜いて17番手。海外で勢いを見せる注目の若手だ。
日本では今季のセカンドQTを3位タイで突破し、国内ツアー参戦に向けても順調に歩みを進めている。「アジアの下部で賞金ランク1位になれば、来年のアジアンツアーのシードももらえる(※1)。日本で出場権が獲得できたら掛け持ちしたい」と、両軸での活躍を目指す。
と、ここまで聞いて思い浮かぶのが、今季「RIZAP KBCオーガスタ」で初優勝を挙げた比嘉一貴。日本のQTをケガで断念し、同じくアジアの下部ツアーへ。そこで実績を残しながら、昨年は日本ツアーに推薦や前週トップ10(※2)の資格を使ってスポット参戦。わずか9試合ながら賞金ランク60位でシードを手に入れ、フル参戦した今年、日本初優勝を挙げた。
「アジアでだいぶいい経験を積めました。もう少し世界ランクが上がれば、そのカテゴリーで欧州ツアーにも出られる」。戦いの場を求めて、6月末から休まず転戦。アジアで揉まれたフレッシュな若手が、また一人頭角を現しつつある。(文・谷口愛純)
※1:アジア下部ツアーの賞金ランク上位7名に、翌シーズンのアジアンツアー出場権が与えられる。
※2:出場資格(10)直近のツアートーナメントで成績上位10位以内の者
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