<日本女子オープンゴルフ選手権 初日◇3日◇COCOPA RESORT CLUB 白山ヴィレッジゴルフコース QUEENコース(三重県)◇6479ヤード・パー72>
渋野日向子は、8バーディ・1ボギー・1ダブルボギーの「67」で、首位と3打差の5アンダー・7位タイと好発進。ハラハラドキドキのラウンドが、ギャラリーを盛り上げた。
これだけのギャラリーが“劇場”を見守りました
1番で決めた2.5mのバーディパットが、渋野劇場の開演ブザーとなった。その後の4番で1つバーディを追加したが、6番でまずは“悲劇”を演じることになる。ピンまで220ヤードのフェアウェイからのセカンドショット。ツーオンを狙い3番ウッドで放ったボールだったが、これが大きく左方向に逸れ、ペナルティエリアに入ってしまった。
「少しつま先下がりだったんですが、この状況だとフェードが出やすい。それで左目から狙っていこうと思ったんですけど、ひっかけてしまったのかな。構えた向きが悪かったのかもしれないです」
この場合、ペナルティエリアの縁を最後に横切ったと推定される地点から2クラブレングス以内にドロップしてプレーを続けられるが、それだと木が邪魔になってしまった。そこで「これが一番の安パイ」と元打った場所に戻ることを選択。しかし、ここから放った4打目が、今度はグリーン奥のラフへ。さらに残り15ヤードのアプローチはグリーンに届かず、結局6オン1パットのダボになってしまった。
それでも「アプローチは『私には寄せられないだろうな』というライだった(笑)。ダボで済んでよかった。 まだ前半だし、頑張ろうと気持ちを切り替えられました」と尾を引かず、直後の7番でバウンスバック。すると今度は8番パー3で“喜劇”がやってきた。
7番アイアンで放ったティショットは左奥のバンカーへ。すると2打目で、この残り13ヤードのバンカーショットが、コロコロ転がりカップに吸い込まれた。「バンカーショットが本当に下手なので、あれが入ったら助かりますよね(笑)。本当はグリーンにキャリーさせて止めるイメージでしたけど、そうならずカラーとグリーンの角に当たっていい感じで跳ねてくれました」。これで同組の畑岡奈紗、ユ・ソヨン(韓国)とハイタッチ。本人も驚きの表情を浮かべるプレーで、大きな拍手と歓声が起こった。
この後も9番のセカンドショットを木に当て、ボギーを喫したかと思えば、折り返し直後の10番で3m、11番で30cmのチャンスを沈め連続バーディ。さらに15番でも1mのバーディパットがカップをクルリ1回転しカップインと、最後まで“魅せるプレー”が続いた。「きょうはラッキーでしたね」と思わず笑ってしまうほどの派手な一日になった。
だが、もちろん運だけで、このスコアを稼いだわけではない。「今年一番と言ってもいいほど調子がいい」と話すショットと、「チャンスについたのはだいたい決めることができた」というパットが冴えわたった。フェアウェイを外したのも最終18番での1回と、実力を発揮したうえでの“ラッキー”だったのは言うまでもない。明日もそのプレーで、女子最高峰の舞台を盛り上げる。(文・間宮輝憲)
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