<樋口久子 三菱電機レディス 事前情報◇30日◇武蔵丘ゴルフコース(6,585ヤード・パー72)>
悔し涙から1年。昨年大会で3位タイに入った三ヶ島かなが、リベンジを誓い武蔵丘ゴルフコースに戻ってきた。プロアマを終え、「楽しみですね」と話す表情は晴れやか。つかみかけた勝利を、再びこの地で目指す。
昨年大会 涙を流して18番グリーンを後にする三ヶ島かな【写真】
「このコースは、ショットがマネジメント通りに行ってくれるし、早いグリーンも好き。ラインのイメージも出しやすいので、好きですね」。改めてコースに好印象を抱く一日だった。プロアマでも、「狙い通り」にピンに絡むショットが何度も飛び出した。それだけに、自信も深まってくる。
この“自信”こそが、昨年タイトルを奪えなかった要因と振り返る。予選2日間を単独トップで終え、最高の位置でラスト18ホールに臨んだ。2位だった、ささきしょうこ、李知姫(韓国)との差は2打というなか逃げ切りをはかった。しかし、蓋を開けると「とにかくパットが入らなかった」と苦しい一日に。1番をバーディ発進としたものの、3、4、5番で3連続ボギー。さらにその後の13ホールもパーを並べることになり、最終的には優勝したささきに4打差をつけられた。
その記憶は、「もちろん」今も鮮明に残っている。そして、「1年かけて学ぶなかで、『なんでパットが入らなかったんだろう?』と思い返すと、自信を持つことができてなかった。去年に比べて、今年はストロークもいい。あとはどれだけ自信もって打てるかどうかですね」と、気持ちを奮い立たせながらのラウンドを続ける。
今季序盤はなかなか調子が上がらない時期も過ごし、8月の「北海道 meijiカップ」からは4戦連続予選落ちも経験。しかし、その後は、「日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯」の4位をはじめ、トップ10入り4度と持ち直した。2週前の「富士通レディース」2位タイなど、優勝争いも繰り広げるなかで、この大会を迎える。
今週は普段イ・ミニョン(韓国)のバッグを担ぐ中川桂輔キャディとタッグを結成した。ミニョンが休みということもあり、「以前からお願いしていた」という念願が成就。現在23歳の三ヶ島に対し、相棒は2つ上と年も近く、「ゴルフの話もすごく合う」という同世代とのラウンドも、楽しみの一つだ。
「もちろん去年みたいに、うまくいくことばかりだとは思わないし、体の状態も同じではありません。クラブのセッティングだって違う。自分の状態をみて、どれだけ対応できるかですね」。昨年は悔しさにまみれ、手で顔を覆いながら上がってきた18番グリーンを、今年は歓喜の舞台にしたい。(文・間宮輝憲)
<ゴルフ情報ALBA.Net>