<ダンロップフェニックストーナメント3日目◇23日◇フェニックスカントリークラブ(7027ヤード・パー71)>
トータル5アンダーの首位タイで3日目をスタートした今平周吾。1番パー4でのプレーが、この日のラウンドを予兆していたのかもしれない。フェアウェイ真ん中からのセカンドショット。ピンまで残り120ヤード、ピッチングウェッジで放ったボールはピンそば1メートルに着弾する。それをあっさりと沈めてバーディ。この一打でショットの好調さを確信した今平は、その後も安定したゴルフを展開する。最終的に7バーディ・2ボギーの「66」をマーク。トータル10アンダーまでスコアを伸ばし、単独首位に立った。
今平周吾と婚約者の菜々恵さんと幸せ2ショット【写真】
「今日のラウンドは100点満点をあげてもいいと思います」と、周吾スマイルを見せた今平。国内外のトッププロが顔をそろえた大会で、ベストスコアタイを叩き出したわけだから当然だろう。好スコアの要因は、「マイナビABCチャンピオンシップ」から取り組み始めているスイング改造とニューパターの存在だ。
マイナビABCチャンピオンシップの週、ダウンスイングで体重を左足に移動するよりも、右足に残したままクラブを下ろしたほうがいいと考え、右足体重でのスイングを徹底した。その結果、ドライバーの飛距離が伸び、安定感もアップしたという。今大会でも右足に体重を残して振り抜くシャドウスイングをことあるごとに繰り返しているが、それがようやく身についてきたのだろう。
また、パターのシャフトを今までよりも長い35インチに換え、ヘッドも少し重いものに変えた。その結果、ストロークが徐々に安定し、高速グリーンでもしっかり対応できるようになった。
ただ、どんなに技術面を高めても、精神的に弱ければ意味がない。それを補うために取り入れたのが、優勝ジャケットを着て優勝カップを持つ自分の姿を思い浮かべることだという。
「マイナビABCチャンピオンシップでもトライしていたのですが、結果的に徹底できませんでした。明日はしっかりと自分が主役のイメージを持ちたいと思います」。このときは、試合終盤にハン・ジュンゴン(韓国)に逆転されて2位に甘んじた。「悔しい負け方をしたので、今度こそ負けないように頑張りたいです」と、偶然にも同じ最終日最終組での対決となる。しっかりと自分が優勝するイメージを持つことでリベンジを果たしたいところだ。
最終日は悪天候の予報だが、仮に中止になれば優勝が転がり込んでくる。しかし、今平にそれをよしとする気持ちは一切ない。
「ブリヂストンオープンも2日間しかプレーしていませんからね。しっかりと4日間戦ったうえで、レジェンドの皆さんが名を連ねる歴代優勝者に自分の名前も加えたいですね」。力強い言葉を残してコースを後にした。(文・山西英希)
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