<LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 最終日◇1日◇宮崎CC(宮崎県)◇6535ヤード・パー72)>
いよいよ残り18ホールとなった今季の国内女子ツアー。鈴木愛、申ジエ(韓国)、渋野日向子による白熱した賞金女王争いもあと1日で閉幕を迎える。
鈴木愛が3日目に練習を終えたのは…こんなに真っ暗!
改めて状況を整理すると、3日目を終えて最上位に位置しているのは単独3位の渋野。次いで12位タイの鈴木、17位タイのジエとなっている。それぞれの賞金女王戴冠の条件は以下の通りだ。
■鈴木愛(賞金ランク1位)が女王になるためには
・単独2位以上で、女王決定
■申ジエ(同2位)が女王になるためには
・優勝で、鈴木が3位以下
・2位で、鈴木が10位以下、渋野が3位以下
■渋野日向子(同3位)が女王になるためには
・優勝で、鈴木が3位以下、ジエが2位以下
・2位で、鈴木が10位以下、ジエが3位以下
唯一自力で決められる鈴木は4バーディ・2ボギーの「70」で3日目をラウンド。「この3日間で一番流れをつかんだ一日でしたし、調子も悪くない」としながらも「とにかくパッティングが入ってくれませんでした」とこの日もグリーン上で苦しんだ。
とはいえ女王への重圧とも今回はうまく付き合えている様子。「3連勝する前はジエさんか渋野さんが勝つと思っていた人が多いと思う。最後もいい意味でそういった人たちを裏切って女王になれたらいい。ここまでこれたことを幸せに感じながら、あとはどれだけできるかですね」とあくまで気持ちはチャレンジャーだ。
「人のことを考えても、人のことを願っても仕方ない。それでスコアが良くなるわけでもないし、自分が伸ばして終わりたい。パッティングはこれまで入っていないぶん、あしたくらいは入るだろうと思って頑張ります」と自らの手でタイトルをつかむ。
一方、3人で最上位につける渋野は5バーディ・4ボギーの「71」。「もう台無し」という上がり2ホールの連続ボギーが痛かった。「今日は50点くらいですね。悔しさはかなり残ります」と唇をかんでのホールアウトとなった。
それでも「まだチャンスはあると思うのであしたはもっとしっかり頑張りたい。逆転の可能性は今日の感じだと60%ぐらいですかね」と逆転Vへ諦めるつもりはさらさらない。一方、「(賞金女王への思いは)全くないですね(笑)。ゼロに近いです」とこちらは無欲を強調した。
「あしたは本当に悔いのない、今日のようなゴルフをしないように心がけたい。出だしからショートするようなゴルフはせずに、ピンを狙っていけるゴルフをしたいと思います」。今年数多くのタイトルを手にしたアグレッシブな姿勢でラストを飾る。
かなり厳しい状況に追い込まれているジエは、3バーディ・2ボギーの「71」。出だしの1番で2打目が木の上に乗りロストボールとなるトラブルもあったが、グリーン奥からのアプローチを直接沈めて“チップインボギー”。悪い流れを断ち切ってアンダーパーで駆け抜けた。とはいえケガの状態は良くなく「朝から痛かったですね」という状況だ。
「あすは1打に集中して悔いの残らない1日にしたいと思います。素晴らしいスコアを出すことも大事ですが、プレーに対する姿勢や取り組み方などでも感動を与えられるようなプレーをご覧いただきたいと思います」。最後まで“申ジエ”らしいゴルフを貫く構えだ。
泣いても笑っても残りは18ホール。全選手がホールアウトしたとき、どんなドラマが誕生するのか。そして女王は誰の手に――。
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