米国女子ツアーの2021年出場優先順位を決める予選会シリーズが延期となった。
感染が世界的な広がりをみせている新型コロナウイルスの影響で大幅な日程変更を強いられている世界中のプロゴルフツアー。国内女子は7試合連続で開催中止が発表。米国女子ツアーも2カ月間開催がされておらず再開は5月下旬とみられるが、日米ともに今後の動向は不透明だ。
米ツアーには空き週も多く、すでに発表されている「ANAインスピレーション」の9月開催など、秋以降に延期となるケースが増える見込み。同じく米国女子下部ツアーも追加で5試合が延期となるほど、再開のめどは立っていないが、8月から3ステージで開催予定だったQTも日程変更を余儀なくされる。
8月開催のファーストステージは10月へ。10月開催予定だったセカンドステージは11月へ。そして10月下旬から11月にかけて8日間の日程で開催予定だったファイナルステージのQシリーズは、12月に延期となることが発表された。
各ステージの出場資格については、19年と同様。セカンドステージのエントリー締め切り日時点の女子世界ランキング75位以内はファイナルのQシリーズから出場可能。昨年までの2週に渡る8日間144ホール競技から5日間の90ホール競技に短縮して行われる。
詳しい日程は未発表だが、これまで日本ツアーからQシリーズに参戦する選手は国内試合を欠場するしかなかった。今回の延期により、11月29日に国内最終戦が予定通り終了すれば、国内大会を休むことなく参戦が可能となる。
そして、その休みを含み今季の日程を調整していたのは渋野日向子。21年からの米ツアー挑戦を掲げ、Qシリーズに挑戦するプランをたてていた。
新型コロナによるツアー延期・中止に伴い大幅な日程調整が行われることは必至。渋野にとって今季の過密日程は、最大の目標としていた東京五輪のためだったが、こちらも来夏に延期。世界ランキングのポイントが高い米ツアー挑戦に向けて、さらには海外メジャー出場の結論はまだ先となる見込みだが、日程的に米ツアーに挑戦がしやすくなったともいえる。
海外女子メジャーに挑戦しながら、国内試合も出場義務試合数をこなし、五輪出場を目指すはずだった20年。それに加え、米Qシリーズで数週間の渡米となれば、年間を通してかなりのハードスケジュール。それが思いがけない状況で、いまだ日程を組み直すこともできていない。
今後の日程決定はすべて、感染拡大が終息し国内外のツアーが再開されることが大前提。米国では感染者数が20万人を超えており、各種スポーツの再開見通しは一切たっていない。米ツアーも今回の日程変更について「さらに変更となる可能性がある」と、あくまで流動的な決定としている。
米ツアーはいち早く規定変更や大会延期を発表しているが、国内はいまだ具体的な方針が発表できずにいる。ツアーが開催されない状態は渋野をはじめ多くの選手に影響をもたらしており、いまだかつて経験したことのない未曾有の事態に戸惑うばかり。プロスポーツ開催の是非も問われ始めているなか、いまはコロナ感染拡大の終息を願うしかない。
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