17日、欧州ツアーからさらなる大会中止と延期の発表があった。その前日に米PGAツアーが再開を発表したことと比べると、ヨーロッパでの新型コロナウイルス感染の影響はアメリカ以上の深刻さが見えた。
17日、欧州ツアーのキース・ペリー会長は「BMWインターナショナル・オープン」(6月25〜28日・ドイツ)、「オープン・ド・フランス」(7月2〜5日・フランス)2大会の中止に加えて、高額賞金のロレックスシリーズの一つ、7月9〜12日の「アバディーンスタンダードインベストメント スコットランドオープン」(スコットランド)の延期を発表した。「これらの3大会は欧州ツアーにとってはとても重要だが、コロナウイルス感染をこれ以上広げないためにも各国のガイダンスに沿わなければならない」とコメントした。
BMWインターナショナルは30年以上も続く大会で、オープン・ド・フランスは最も歴史のあるナショナルオープンの一つだが、ドイツもフランスもコロナウイルス感染の甚大な被害に遭っている。
欧州ツアーは3月5〜8日にカタールで開催された「コマーシャルバンク・カタールマスターズ」を最後に、14週間のキャンセル、または中止が続いているが、ペリー会長は「安全が確認されるまで再開の日程は決められない」としている。また先週、選手らに「ツアーが再開した後はツアーに“ドラスティック・チェンジ”が起こりえる」というメモが送られた。賞金の減額やこれまで受けていた豪華な待遇、また複数の大会が一つになる可能性も伝え、理解を求めた。
欧州、米の両ツアーでプレーするジャスティン・ローズ(イングランド)は「BMWインターナショナルは素晴らしい大会だから中止はとても残念だが、予想していなかったわけじゃない。今は安全が最も重要なことだ」とツイートし理解を示した。ペリー会長は「我々はとても前向きだ。状況が日々良くなって、必ずカムバックする日が来る。そのときはとても忙しいスケジュールになる」と明るいメッセージも送った。(文・武川玲子=米国在住)
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