PGAツアー再開初戦となった「チャールズ・シュワブ・チャレンジ」ではトーナメント中に選手がマイクをつけてプレーし、そのリアルな会話が放映されるという、放送をしたCBSの新しい試みが話題を呼ぶはずだった。だが、実際にマイクを付けてプレーしたのは初日のリッキー・ファウラー(米国)のみ。その後は立ち消えとなり、選手の生声を聞けることはなかった。
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土曜日の放映中にアナウンサーのジム・ナンスが「選手たちにマイクを付けるようにボランティアを募ったのだけど、志願してくれたのはリッキーだけだった」とコメント。
しかし、それは事実とは異なるようで、アダム・ハドウィン(カナダ)は自身のインスタグラムで「12日前にCBSにマイクをつけてくれるか聞かれたので、イエスと答えた」と反論している。
他にも数人の志願した選手はいたようだ。では、なぜ実現しなかったのか?
一つにはテレビ局のスタッフ不足にも要因があるという。通常は200人体制のスタッフが、今はコロナウイルス感染の影響で半分以下の90人。放映を観ていてもその差を感じることはなかったが、「マイクをつけた選手がいると、そこにかかりきりになるスタッフが増える」ことも原因だった。
このアイデアは2週間前、タイガー・ウッズとフィル・ミケルソン(ともに米国)がNFLのスーパースターと組んでテレビマッチをマイク付きで放映し、高視聴率を上げたことから『実戦でもやろう!』という運びとなった。
しかし、TVマッチでは舌戦など面白い話が聞けたが、トーナメントとなるとそうはいかない。今回のファウラーはやはり真面目なプレーの話ばかりで、TVマッチとは様相がまるで違った。そんなことから、トーナメント中の“マイク中継”はしばらく実現しそうにない。(文・武川玲子=米国在住)
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