6月25日の「アース・モンダミンカップ」から、いよいよ開幕する国内女子ツアー。今年のツアーを彩る賞金シード50人のうち、初めてシードを手にした選手たちにインタビュー。“素顔”に迫る質問も織り交ぜながら、ツアーを引っ張る新メンバーを改めてご紹介しよう。
今回紹介するのは、ペ・ソンウ(韓国・2019年賞金ランキング4位)、S・ランクン(タイ・同31位)、エイミー・コガ(米国・同41位)、篠原まりあ(同46位)の4人だ。
――自身の“強み”はどこだと考えていますか?
ソンウ「常に変わらないところ。メンタル面は、自分ではそんなに強いとは思わないけど、周りからは強いと言われます」
エイミー「アプローチはこだわっています。調子が悪い日でも、バタバタしながら何とかイーブンでまとめる、みたいなラウンドも多かった。それはアプローチのおかげだと思っています。昨年は試合に出続けて、セッティングが難しいなか何とかスコアを作れました。パターなどの面でみても、少し強くなれたのかなと思える1年でした」
ランクン「スマイル…、かな?いつもではないけれど(笑)。真面目に答えると、ドライバーの正確性だと思います」
篠原「ショットが曲がらないこと。ドライバーのフェアウェイキープや、セカンドショット以降が強みだと思っています。(9月の日本女子プロ)選手権からパターもよくなってきてバーディ数も増えました」
――スイング時に気をつけているポイントはどこですか?
ソンウ「体をよく使いますが、骨盤の回し方に注意しています。そこが安定していないと。ひねり、回し方がスイングのキモです」
エイミー「体重移動やタイミングなど、スイングのバランスですね。ゴルフのスイングは、いろいろな動きがあって、それを短い時間ですべてやらないといけません。その一つひとつをチェックすると、頭もゴチャゴチャするし、体だって動かなくなってしまいます。何年もゴルフをやってきて、動きは体が覚えてくれているから、『タイミングとバランスが合っていれば大丈夫』と言い聞かせてプレーしています。“スイングはシンプルに”というのは、いつも考えていることです」
ランクン「ダウンスイングとフォロースルーを意識しています。スイングがおかしいなと思ったときはだいたいダウンスイングに問題がある。その軌道をチェックするようにしています」
篠原「感覚を大事にしているので、リズムには気をつけています。テンポが早くなると、スイングが小さくなってしまうので。例えば雨が降った時は、リズムが狂う原因が増えます。なので特に注意しています」
――仲のいい選手は誰ですか?
ソンウ「勝みなみ選手、松田鈴英選手、淺井咲希選手、永井花奈選手。日本語を教えてもらったり、韓国語を教えたり交流をしています。今年も新人セミナーがあって、脇元華選手もいると聞いて安心しています。私が韓国語の先生になっています(笑)。勝選手はとても発音がきれいで、私のコーチが初めて日本に来たときに、勝選手から『アニハセヨ』と言われて、『韓国人選手かと思った』と笑っていました。それほどうまいですね。(日本語で)ホントウニハツオンガキレイデスネ!(笑)」
エイミー「必ず会ってお話するのは、藤本麻子さんや、葭葉ルミさん、あと宮里美香さんとか。美香さんには小さい頃からお世話になっています。米ツアーでハワイに来た時には、写真撮影してもらったりサインをいただいたりしていました。ツアー会場にいる方は、みなさん優しくしてくれます」
ランクン「ヒナコ(渋野日向子)かな。言葉が分からないから、あまり会話が続かないけど、私のなかではベストフレンドね」
篠原「山内日菜子、丹萌乃、立浦葉由乃、高木萌衣とか同級生と仲がいいですね。一度同級生で集まろうっていう話になって、場所が大阪だったんですけど、私と日菜子ちゃんは九州から行って次の日帰るっていうこともありました(笑)」
――ゴルファーになっていなかったら、どんな仕事をしていたと思いますか?
ソンウ「ゴルフをやったおかげで大学にも行けたのですが、その時の先生からはケガをしたときのための人生の“プランB”を考えてごらんといわれたことがありました。それで心理学の勉強、メンタルトレーニングをしたいと思いました。心理学の分野は広いですが、人の心を分析することには興味があります。ゴルファーでなくても、スポーツはしていたと思います。でも、私は自分の心がまだまだ読めないですけど(笑)」
エイミー「日本にはツアーに出場するために来たので、とりあえずゴルフをやってなかったら日本にはいませんでした(笑)。普通にアメリカの大学に行って、卒業してという感じだと思うけど…、全然想像がつきませんね。他のスポーツはすぐ諦めたりしていたから、スポーツ選手ではないかな。海が好きだしスキューバのインストラクターとか、あとヨガの先生とかをやっていたかもしれませんね」
ランクン「難しい質問ですね。何か別の競技のアスリートかトレーナーとか、かな。スポーツには関係していると思う。オフィスで働くことが想像できないの」
篠原「普通に大学生もしたかった。プロテストに落ちたら大学に行こうと思っていました。それで長女なので、家業(温泉旅館)を継いでいたかもしれないですね」
■ペ・ソンウ
韓国ツアー賞金ランキング2位の実力者。日本ツアー参戦は2019年で、QTランク14位の資格で前半戦に出場。5月の「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」で渋野日向子との激しい優勝争いに敗れ2位など、なかなか栄冠に手が届かずガマンの時期が続く。8月の「北海道 meijiカップ」で初優勝をつかみとり、最終戦の「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」ではメジャー初制覇。複数年シードを手に入れた。
■エイミー・コガ
明るい性格が魅力のハワイアンガール。渋野日向子、原英莉花、河本結らと同じ2018年のプロテストを受験し、見事トップ合格を果たした。19年開幕戦の「ダイキンオーキッドレディス」を2位タイで終えるなど、トップ10が4回。初優勝が待たれる一人。
■S・ランクン
タイ、中国ツアーの賞金女王という実力者。2018年の日本ツアーQTで32位となり19年前半戦出場権を獲得すると、4戦目の「アクサレディス」で2位タイになるなど実力を発揮。7月の「ニッポンハムレディスクラシック」では、2位の河本結、稲見萌寧に3打差をつける快勝で日本ツアー初優勝を挙げた。
■篠原まりあ
プロ転向5年目となった2019年シーズンに、キャリアハイとなる2581万3285円(ランク46位)を稼いで初のシードを決めた。19年はQTランク12位の資格で参戦、予選落ちが目立ったが、9月の「日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯」で4位タイ、「スタンレーレディス」で2位タイなどもあってシードへの道を切り開いた。
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