2011年に日本女子ツアーにやってきたイ・ボミ(韓国)。2015年、2016年と2度の賞金女王に輝き、これまでにツアー通算21勝を挙げている。この2年勝ち星に恵まれていないが、確実に調子を取り戻してきている。復活優勝が期待される今年のイ・ボミのクラブセッティングを見てみよう。
早く試合ではじけるボミスマイルが見たい【写真】
バッグを見てみると、昨年とはガラッと変わって最新モデルが並んでいる。ボミは2013年に本間ゴルフと契約して今年で8年目を迎える。クラブを選ぶときのこだわりとは何か、本間ゴルフのツアー担当、井上友之氏に聞いた。
「こだわりはいっぱいあります。意外と玄人好みでシャープに見えるヘッドが好きですね。ボミプロはいつも『かっこいいヘッドが好き』と言っています。アドレスに入ったときに違和感なくしっくりくるもの、モジモジしないのが一番です。グリップの感触に対してもすごく敏感で、しっくり握れるまで何度も入れ替えることもあります。データ的に同じものを作っても自分の感覚と違うと使わない。ちょっとの違いを感じられる選手の一人です」
■ドライバーは“シャロー”よりも“ディープ”が好き
ドライバーは最新モデル『TR20』で、ピンクのワンポイントの入ったイ・ボミ仕様。大きさは460ccではなく、小ぶりな440ccを選んでいる。「オフの間、アメリカで460と440を両方テストしてもらいました。ボミプロは460のシャローバックでボールが上がりそうな感じより、440のディープフェースで洋ナシ形状のコントロール性が高いヘッドが好きなんです。『TR20』は実際パフォーマンスが良くて、「いい音がするし、ボールがつぶれる感じがあっていい」と打感も高評価でした。あと、ロフトは10.5度から9.5度に変更しています。9.5度でも十分に高さがあり、弾道も強かったですね」(井上氏)。シャフトは昨年から少し先が走る系に替えていて、ボミ本人は最後の一押しが気に入っている。
■アイアンはシャープで飛ばないことが条件!?
アイアンも最新モデルの『TR20-V』。こちらもボミの好みを反映しているモデルで、トップブレードがあまり厚くなく、シャープですっきりとした構えやすさがある。アイアンに求めるものとは?
「重心距離が長そうなボテッとしたヘッドより、シャープでグースも少なく構えたときに弾道をイメージしやすいヘッドを好みます。顔のこだわりはドライバーと同様ですが、アイアンに関しては飛距離が変わらないかをチェックしています。いくらヘッドを気に入っても、飛距離が変わってしまうと試合で使えませんから。ボミプロと話をしながら、球の上がり方、スピンの入り方などを調整しています」と井上氏。アマチュアにとってはアイアンでも飛距離アップはうれしいが、ショットメーカーのボミにとってはそうではないようだ。
写真ではUTは22度、25度の2本で、アイアンは6番からとなっているが、練習では19度のUTと5番アイアンも試している。コースレイアウトや風などの状況によって、使うクラブを選んでいくという。
「今、ボミプロは韓国にいてなかなか会えない状況ですが、コーチ、トレーナーとも常に情報を交換しているので、問題点があるかなどは把握しています」と井上氏。本間ゴルフを加えた「チームボミ」の団結力は高い。残念ながら入国制限によって、25日に開幕する「アース・モンダミンカップ」ではボミのプレーを見ることができない。バッグの中を一新して、再び優勝カップを笑顔で掲げる姿をファンは待ち望んでいる。
【イ・ボミのクラブセッティングと番手別飛距離】
1W:T//WORLD TR20-440 9.5度 VIZARD FD5(R) 240y
3W:TW747 15度 VIZARD FD5(R) 220y
5W:TW747 18度 VIZARD FD5(R) 200y
4U:T//WORLD XP-1 22度 VIZARD UT-H7(SR) 185y
5U:T//WORLD XP-1 25度 VIZARD UT-H7(SR) 174y
6I:T//WORLD TR20-V VIZARD IB85(R) 160y
7I:T//WORLD TR20-V VIZARD IB85(R) 150y
8I:T//WORLD TR20-V VIZARD IB85(R) 140y
9I:T//WORLD TR20-V VIZARD IB85(R) 130y
10I:T//WORLD TR20-V VIZARD IB85(R) 120y
48度:TW-W N.S.PRO 850GH(R) 110y
52度:SM8 N.S.PRO 850GH(R) 100y
58度:SM8 N.S.PRO 850GH(R) 80y
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