<アース・モンダミンカップ 3日目◇27日◇カメリアヒルズCC(千葉県)◇6622ヤード・パー72>
いよいよ最終日を迎える今季開幕戦。激しい優勝争いが間もなく決着の時を迎えるが、今大会は特に“新世代”の活躍が印象に残るものとなった。
3日目終了時点でトップ3に名を連ねたのは、21歳の“黄金世代”田中瑞希、20歳の“プラチナ世代”古江彩佳、そして2001年生まれで18歳の“21世紀世代”西郷真央。最終日最終組は、平均年齢19.7歳というフレッシュな顔ぶれになった。上位陣はトータル11アンダーでトップに立つ田中を、3打差の2位から古江、西郷が追う展開だ。
首位の田中は、「(2人と)一緒に回ったことも、プレーを見たこともありません。自分が一番年上というのは新鮮ですね。楽しくプレーしたいです」と、この戦いを楽しみにも感じている様子。無観客試合ということで「萎縮することもないと思う」と、初優勝がかかる大舞台でもノビノビとプレーする姿を見ることができそうだ。
また、このなかで唯一のツアー優勝経験者でもある古江も、「楽しむのが目標だし大事なことになる。笑顔でプレーできたらいいなと思います」と自らに大きなプレッシャーはかけず、“2勝目”に向かっていく。
一方、この試合がプロデビュー戦となった西郷は、「もちろん優勝したい気持ちはありますが、優勝するためのプレーではなく、自分らしいプレーをするために集中して結果を出したい」と、きっぱり。プロ入り後いきなり訪れたチャンスを納得いく形で手にしたいという気持ちがうかがえた。
このほかにも、上位陣を若い世代がにぎわせている。トップ10のうち、黄金世代が臼井麗香(4位タイ)、大里桃子(8位タイ)、小祝さくら(10位タイ)の3人。その一つ下の世代で、“狭間世代”ともいわれる中からも菅沼菜々(8位タイ)、稲見萌寧(10位タイ)の2人が優勝を見据える。さらに“21世紀世代”では笹生優花も10位タイにつけており、これらの選手が前評判通りの活躍を初戦から見せている。
だが、簡単にタイトルが転がり込みそうな気配はない。この新世代の優勝を阻もうと、昨季賞金女王の鈴木愛、復活の兆しを見せるツアー通算3勝の渡邉彩香、同2勝の酒井美紀(いずれも4位タイ)や、ベテランの笠りつ子(10位タイ)といった実力者も優勝争いに名乗りをあげる。鈴木は「無観客でいつもと雰囲気が違う。経験が少ない選手でも優勝する可能性は十分にあると思います」と、異例の大会特有の雰囲気に警戒心を強めもするが、その存在が大きなプレッシャーになるだろう。
注目世代が、また新たな風をツアーに吹き込むのか? あるいは、それを阻む、大きな壁が登場するか? コロナ禍によって大会中止が相次ぐなか行われた今年の開幕戦は、最後まで大注目を集めたまま幕を閉じることになりそうだ。
■決勝ラウンドに進出した新世代選手(全70人、かっこ内の選手は上記選手以外の進出者)
“黄金世代”…12人(畑岡奈紗、勝みなみ、原英莉花ら)
“狭間世代”…4人(廣田真優、河野杏奈)
“プラチナ世代”…3人(安田祐香、吉田優利)
“21世紀世代”…3人(リ・ハナ)
■新世代のツアー優勝者
“黄金世代”…9人(畑岡奈紗、勝みなみ、新垣比菜、大里桃子、河本結、渋野日向子、原英莉花、小祝さくら、淺井咲希)
“狭間世代”…1人(稲見萌寧)
“プラチナ世代”1人(古江彩佳)
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