千葉県我孫子市出身の大西葵は、この7月で26歳になった。2014年にプロテストに合格。昨年は開幕から4試合連続で予選落ちが続いたが、「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」で2位タイに入るなど、高額賞金の後半戦で盛り返し、プロ6年目にして初のシード権を獲得した。そんな大西のクラブセッティングを見てみよう。
昨年のドライビングディスタンスは238.9ヤードで36位。しかし、フェアウェイキープ率は63.96%で61位と安定感を欠いた結果となった。今年はドライバーを『SIM MAX』に変更したことである変化があったという。
テーラーメイドのツアーレップ、鵜野晃行氏は「昨年はドライバーのミート率にバラつきが大きかったんです。それでSIM MAXに変更したところ、『振りやすくなった』とミート率が改善されました。また、振りやすさがヘッドスピードを上げる結果となり、今年の大西プロの飛距離にも注目です」と教えてくれた。
大西は今年の開幕戦の「アース・モンダミンカップ」では、最終日に「67」とスコアを伸ばして10位タイ。ドライバーを替えた効果が早速発揮された。
大西はヘッド選びにもこだわりがある。「クラブヘッドの顔は気にしますね。特にウッド系ではフェース面とクラウン部分の境目のラインは気にしています。そのライン次第でフェースはストレートでも、かぶって見えたりしてしまうので。あとは、構えたときに安心感があるヘッドを選んでいます」と鵜野氏は話す。
■ウェッジの制作本数が女子ではナンバー1
アプローチの上手さを示す昨年のリカバリー率(パーオンしないホールでパーかそれより良いスコアで上がる確率)は、62.57%で24位と上位に名を連ねる大西だが、それには裏付けがあるという。
鵜野氏によると「ウェッジの溝の減り方が尋常ではないんです。ウェッジの制作本数は女子ではナンバー1です」とのこと。通常、ウェッジは2〜3カ月で交換する選手がほとんどだが、大西の交換ペースはそれを軽く上回る。その練習量の多さが、リカバリー率を支えている。
髪色同様にキャラクターも非常に明るく、ムードメーカーだという大西葵。それでいて「実はものすごい頑張り屋で、練習量は女子ツアーでトップクラス」と鵜野氏は称賛する。渋野日向子ら“黄金世代”がツアーの中心となりつつある今、遅咲きではあるが、努力と気合の女子プロゴルファー、大西に注目していきたい。
【大西葵のクラブセッティングと番手別飛距離】
1W:SIM MAX 10.5度 anti Gravity aG33-5(S) 245y
3W:SIM MAX 15度 anti Gravity aG33-5(S) 215y
5W:SIM MAX 18度 TourAD PT-5(S) 200y
5U:SIM MAX 25度 TourAD U-85(S) 180y
6U:SIM MAX 28度 TourAD U-85(S) 170y
6I:P790 N.S.PRO 850GH(S) 150y
7I:P790 N.S.PRO 850GH(S) 140y
8I:P790 N.S.PRO 850GH(S) 130y
9I:P790 N.S.PRO 850GH(S) 120y
PW:P790 N.S.PRO 850GH(S) 110y
48度:Milled Grind 2 N.S.PRO 850GH(S) 100y
52度:Milled Grind 2 N.S.PRO 850GH(S) 90y
58度:Milled Grind 2 N.S.PRO 850GH(S) 80y
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