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「いい人々」が競い合ったCJカップ【舩越園子コラム】

先週、韓国で初開催された米ツアーのCJカップは予選カットのない4日間大会。出場選手78名中60名はフェデックスカップ上位者、残る18名はスポンサー推薦などからの出場とされるこの大会はエリート・フィールドになるはずだった。
ラッキーバーディでおちゃめな表情を見せるトーマス
用意された賞金も総額9・25ミリオンダラーと気が遠くなる高額。優勝賞金1・665ミリオンは日本円にすれば2億円に届きそうな勢い。単独2位でも99万9000ドルで、ほぼ1億円。これだけ魅力的な賞金が用意されたら、ひと昔前なら選手たちはこぞって出場していたはずである。
だが、近年は高額賞金が当たり前と化しているせいなのか、それとも新設大会であることや治安面を警戒したのか、蓋を開けてみれば、米ツアーのトッププレーヤーは数えるほどしか出場しなかった。
しかし、優勝争いを演じたのは、その数少ない米ツアーのトッププレーヤー、ジャスティン・トーマスとマーク・リーシュマンだった。2人とも、今大会に出ようと考えた背景には、それなりの理由があった。
トーマスは2015年に米ツアーにデビュー後、初優勝を遂げたのがその年の秋のCIMBクラシック。翌年も同大会を連覇し、アジアには好印象を抱いている。今年もディフェンディングチャンピオンとして先週はマレーシアに赴き、その足で今週は韓国へ。昨年同様、好調の波をまずアジア発で作り出し、それからゆっくりオフを取って、年明けのハワイへとつなげていく作戦だ。
一方、リーシュマンは、なぜ韓国に赴いたのかといえば、2005年にプロ転向したリーシュマンが母国オーストラリアを離れ、プロとして最初に腕を磨いたのは米ツアーの下部ツアーと韓国ツアー。そしてプロ初優勝は2006年に韓国ツアーで挙げた。
一昨年は愛妻が敗血症になり、「生存の可能性は5%」と医師から告げられて絶望の淵に突き落とされたが、奇跡的に回復し、神様と医師たちに「感謝の言葉が見つからなかった」。以後はリーシュマン自身が「ゴルフ最優先」ではなく「命と人生最優先」へと生きる姿勢を変えた。すると、昨季の米ツアーではアーノルド・パーマー招待とBMW選手権を制覇。いろいろなことが上手く運んでいる今、キャリアの原点でもあり、お世話になった韓国へ。それは「感謝」の意味を身を持って知るリーシュマンらしい選択だった。
昨季、全米プロを制したトーマスはメジャー1勝を含むシーズン5勝を挙げ、フェデックスカップ年間王者とプレーヤー・オブ・ザ・イヤーに輝いた。リーシュマンはシーズン2勝、米ツアー通算3勝を挙げ、公私ともにハッピーエンド。充実感と自信を膨らませた2人がCJカップでともに勝利を競い合ったことは、メンタルなゲームであるゴルフだからこそ、なるべくしてそうなったのだと思えた。
72ホール目の18番。池越えでピン5メートルに付けたリーシュマンの第2打は見事だった。リーシュマンに単独首位の座を奪われた直後、72ホール目でピン3メートルに付けたトーマスの第2打は圧巻だった。
18番を繰り返しプレーしたサドンデス・プレーオフは、まさに互角の戦いだった。2ホール目で勝敗を分けた池越えの第2打の成否は、もはや巧拙ではなく運不運にも似た紙一重。そして、池に落としたリーシュマンの敗戦の弁が、なんともカッコ良かった。
「安全に刻んでパーで負けるより、こうやって(攻めた結果)負けたほうが熟睡できる。負けたことは残念だけど、2位は決して最悪ではない」
勝ったトーマスは、なぜリーシュマンに勝てたかではなく、なぜプレーオフまでたどり着き、戦い抜くことができたかに言及し、「なぜ」の答えをこう語った。
「最初の2日間は楽しめなかったけど、最後の2日間は我慢強く戦えた。すべてはキャディのジミー(・ジョンソン)のおかげだ」
いい人が勝つ。いい心持ちの人が勝つ。「それがゴルフだ」と言った先人の言葉が思い出された。
  
文 舩越園子(在米ゴルフジャーナリスト)
<ゴルフ情報ALBA.Net>

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