<日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯 初日◇10日◇JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部(岡山県)◇6640ヤード・パー72>
同級生からの刺激を受け、メジャー舞台での覚醒なるか? 27歳の城間絵梨が、5バーディ・1ボギーの「68」をマークし、4アンダー・5位タイと好スタート。“大器”と期待された選手が、快進撃への足掛かりをつかんだ。
「(8月31日、9月1日に行われた)日本女子オープン最終予選の2日間で3パットを7回も打ってしまったので、気合を入れなおしてチェックしました」というパターが、この日はさえた。10番からスタート直後の11番で4mのバーディパットを沈め勢いをつけると、18番でも1.5mと微妙な距離のチャンスをしっかりと決めスコアを伸ばした。1番パー4では25ヤードのアプローチが直接決まるなど、展開にも恵まれる1日に。3番パー3で唯一のボギーを喫したが、4、5番で連続バーディを奪い上位に名を連ねた。
福岡の沖学園高時代はナショナルチーム(日本代表)メンバーにも選ばれるなど、アマチュア時代から活躍。165cmの高身長から繰り出されるドライバーショットの飛距離は、今も「250〜260ヤード」を誇る。“大器”と期待され、2012年にプロテスト合格。しかしその後は、15年に下部ツアーで1勝を挙げたものの、レギュラーツアーでは思い通りの成績を残すことはできなかった。
城間と同じ1993年生まれには渡邉彩香、比嘉真美子らがいる。「たまに会うときに悩みを話したりする」という同世代は刺激を与えてくれる存在でもある。昨年末に受験した今季出場権がかかる最終QT(予選会)の初日、2日目に同組でラウンドした渡邉は、今季開幕戦で5年ぶりの復活優勝を果たした。「そういう姿を見ると、あきらめられない」。プロ生活を続けるうえで、いいモチベーションになっている。
本大会に出場するのは、予選落ちした13年以来、実に7年ぶり。「これまで予選を通ることができてなくて、今年はギリギリ出場権が下りてきてうれしいですね」。さらにここで予選通過を果たすと、17年の「KKT杯バンテリンレディスオープン」(59位タイ)以来、3年ぶりのレギュラーツアーでの決勝ラウンドとなる。
今季のQTランクは83位で、シーズン当初の目標は「下部ツアーの賞金ランクで上位になって、QTを楽にすること」だった。しかし、コロナ禍の影響もあり、得た出場権が大きなチャンスに変わった。ここでの上位争いは、今後くぐり抜ける必要のあるリランキングなどにも大きく影響してくる。「出られる試合で稼げるようにしたいですね」。そのためのチャンスを手繰り寄せたい。(文・間宮輝憲)
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