<伊藤園レディス 最終日◇15日◇グレートアイランド倶楽部(千葉県)◇6741ヤード・パー72>
きょう15日に22歳の誕生日を迎えた渋野日向子が、「気持ちを切り替えて」臨んだ新たな1年の最初のラウンドで「69」の好スコアをマーク。トータル4アンダー・23位タイで3日間を終えたが、「きょうはショットもすごくよかったし、パターに関してはここ最近では一番いいストロークができていた。不安なく18ホール回れました」と、最近にはなかった満足感を笑顔で口にした。
ハッピーバースデー! 見てください、この笑顔【大会フォト】
スタートの10番で、バースデーを自ら祝うような“おはようバーディ”を奪って始まった一日。直後の11番はボギーとしたが、そこから4つのバーディを記録するなど快調にスコアを伸ばした。「最後は悔しい」とあがりの9番で1つスコアを落としたが、「予選通過したことで楽になって、いい感情で回れました。22歳の初日に新たな気持ちで臨むことができました」と充実のバースデーとなった。
セカンドショットが、ピンから20メートルほど離れたグリーン手前のエッジ付近に着弾し、そこからボギーを喫した11番など、序盤はアイアンの縦距離が合わずに苦しむ場面も目についた。この原因になったのが、前日明かしていた右足裏の痛み。「(足をかばって)上半身だけの力で振ってしまう」ことで、普段通りの距離が出せなかったが、「下半身のバランスを考えたり、番手を上げてコントロールショットしたり」とラウンド中に“調節”して、その精度を取り戻した。
昨年大会は初日が誕生日ラウンドとなり、会場につめかけたギャラリーからもたくさん祝福の言葉を浴びた。しかし今年は無観客試合となり、静かなコースで迎えた特別な日。それでも「たくさんの関係者や、先輩、後輩、同級生が『おめでとう』と言ってくれました。朝起きた時もSNSでお祝いコメントももらって、うれしかったですね」と、気持ちを高めた状態のなかゴルフに集中できた。
試合後は岡山県の実家に戻り、家族水入らずの誕生日パーティの主役となる。「楽しくしゃべりながら過ごしたいですね。『何が食べたい?』って聞かれたので、ぶりの照り焼きって答えました。いつも帰った時に食べていて、“安定のそれ”って言いました(笑)」。ここでリフレッシュし、大会中止が続いたことで国内では自身初となるディフェンディング大会の次戦「大王製紙エリエールレディス」へと向かっていく。
22歳をどんな年にしたいか、と問われた渋野は、「23歳になった時に、『22歳はいい経験ができた』と言いたい。節目の年にできたらいいですね。その一番大きなことがアメリカツアーへの挑戦。Qスクール(予選会)もあるので、そこで結果を出すために頑張っていきたいですね」と答えた。大きな一歩を踏み出す1年のスタートは、幸先のよいものだった。(文・間宮輝憲)
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