<ダンロップフェニックス 初日◇19日◇フェニックスカントリークラブ(宮崎県)◇7027ヤード・パー71>
今季は国内3試合で予選落ちはないものの、「フジサンケイクラシック」の21位タイが最高成績だった重永亜斗夢。国内4戦目となった国内男子ツアー「ダンロップフェニックス」の初日に6バーディ・ボギーなしの「65」をマークして、単独トップに立った。この成績の裏には「ようやくハマった」というエースドライバーの存在が大きい。
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前週の「三井住友VISA太平洋マスターズ」の練習日。重永は暗くなるまでドライバーを打ち込んでいた。ヘッドを替えたり、シャフトを替えたり。ああでもない、こうでもない、と用品契約を結ぶキャロウェイのツアー担当者のやりとりはずっと終わらない。今までエースだったドライバーの調子がどうもおかしい。
4月に国内で開幕するはずだった男子ツアー。本来なら試合を重ねながらクラブの調整を重ねていくはずだった。結局、今年の国内の試合は9月まで行われず、「試合がないからドライバーだけズレが出ていた」と重永はいう。
「切り返しでエースのたわみが感じられない。軽く感じてきた。試合が続いていると体力は落ちる。(今年は)体力があり余った状態でずっと練習をしていたので、だんだんタイミングが合わなくなってきた。それで重くしてシャフトはちょっと硬めにした」
もともと重永はトップでシャフトのたわみを感じて、”間”を感じたいタイプ。本来なら連戦が続いてちょうどいいバランスになるドライバーが、試合がないためにタイミングがとりづらくなっていたのだ。今日使っていたシャフトの中身はツアーADのプロトタイプ。グラファイトデザインのスタッフが、硬すぎず軟らかすぎずのシャフトを作ってきてくれた。
ちょうどいいヘッドとシャフトの組み合わせが見つかったのが、つい昨日のこと。毎試合毎試合テストを繰り返し、試合がない週は自宅のある熊本でも調整を重ねて「体がぶっこわれるぐらい、あんなに球を打ったのは初めてです」と振り返る。
「今日は久しぶりにドライバーを握ったら、真ん中にしかいかない感じだった。安心感が出てきたので、ドライバーの流れでアイアンも思い通りにほとんどいった。パターもグリーンが先週よりはスピードがそこまで出ていないので、打ち方も変えた。全部がかみ合って、ノーボギーというスコアになったのかな」と会心のラウンドをしみじみ語る。実際フェアウェイを外したのは、3番ウッドを握った2ホールだけ。ドライバーを握ったホールでは全部フェアウェイをとらえた。
「キャロウェイのスタッフがめちゃめちゃ動いてくれて」見つかったエースドライバー。感謝の気持ちだけでなく、成績でも応えたいところだ。「まだ初日が終わったばっかりなので、ショットもまた明日改めてどうなるかわからない。気を引き締めてやるだけですね」。ツアーでいちばん細身の”鉄腕”は、一昨年以来のツアー2勝目を目指す。(文・下村耕平)
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