<全米女子オープン 3日目◇12日◇チャンピオンズGC(米国テキサス州)◇サイプレスクリークコース(6731ヤード・パー71)>
2位と1打差のトータル4アンダー・単独首位で、海外メジャー2勝目という大偉業に挑む渋野日向子が、ラウンド後に45分間の居残り練習を行い最終調整をはかった。終わったころには、すでに辺りは真っ暗。気合十分で勝負の18ホールへと向かっていく。
渋野日向子のバンカーショットを連続写真で解析
練習を終えた後、その感触を聞かれると「分かりません!(笑)」と笑顔の対応。国内ツアーでも遅くまで練習するのが恒例となっている渋野にとっては、この“ルーティン”を行うことで地に足をつけようとしているのかもしれない。
それは緊張が続くラウンドを経験したから。この日の様子については、「きょうは足が5センチ浮いた状態でゴルフしていました。ドラえもんの気分です(笑)」と“シブコ流”で表現するほどだった。
「難しいから余計(緊張した)。パー5で1つしか(バーディを)獲れなかった」と、なかなかプレーで緊張感をほぐすことができなかったのも、その理由だ。スコアが動いたホール以外でも、耐えて耐えてという展開。「アイアンショットが行ってはいけないほうにばかり行った」と、難しいバンカーショットやラフからのアプローチの場面も目立ち、一息つく間もなく時間が過ぎていった。
だが、そんな1日で自信も深まった。「バンカーショットも良くなっている。傾斜を使って寄せていくこともできた。自信を持つことで、パー5でバンカーに入れてもOKという選択肢ができる」と、砂の攻略に手応え十分。今年序盤に苦しんだアプローチも、今は「考えるのが楽しい。成功したとき、イメージ通りできたときのうれしさは半端ない」と、苦手意識は大きくない。
終盤の17番では、グリーン右ラフから15ヤードのアプローチが、もう少しでチップインバーディという惜しい場面も。だがここも「膝かっくんってなった(笑)。入らんのかい!って。日頃の行いの悪さが…」と、明るく振り返る余裕がある。
「もう差もなくなったし、攻めようにも攻められない天候。とりあえず粘るしかないかな」。あと1日、この緊張感と戦う時間は残されている。そして、それを越えた先に、2年連続の海外メジャータイトルが待っている。最終日は、ドラえもんとともに、初日の完璧なプレーを表現した時の「出木杉君」も再び顔を出すことに期待したい。
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