「人生は選択の連続である」といったのは、かのシェイクスピアだが、そこまでおおげさでなくても生きていくうえで物事を選ばなければいけない場面は非常に多い。そこで2人のプロゴルファーに対談形式で『究極の選択』について話し合ってもらった。今回は4組目となる男女のきょうだい優勝を達成した香妻琴乃&陣一朗。
■生まれ変わってもプロゴルファーになりたい?なりたくない?
2人の答えは…
香妻琴乃(以下琴乃):『なりたい!』
香妻陣一朗(以下陣一朗):『なりたくない!』
2人:ははは(笑)。
琴乃:なりたくないか(笑)。じゃあ、何になりたいとかある?
陣一朗:ない!(笑)
琴乃:分かる! 私も思いつかなかったから。じゃあ(またゴルファーに)なりたいのかなって思った。
陣一朗:ゴルフはめっちゃ好きだけど…、もう一回ってなったら、またあの苦労をするんだよ?
琴乃:たしかに…。修学旅行に行ったりとか友達と遊んだりしたかったなという気持ちはある。それが次の人生でというか、やってみたいことだね。
陣一朗:普通のさ、学生生活とか送ってみたいじゃん?
琴乃:そうだね。
陣一朗:そうなると、なりたくないね。もう一度あの苦労をすると思うと。違うこともやってみたい。
琴乃:分かる。
陣一朗:となると、なりたくないでしょ?
琴乃:う〜ん、そうなんだよねぇ…。ホントに究極だね、この質問は(笑)。でも、何がいいっていうのが思い浮かばなかった。
■働くなら… 報酬は安いけどやりがいのある仕事? 報酬は高いけどやりがいのない仕事?
琴乃:これは陣の答えは分かるよ!
陣一朗:いや、思っているのと逆だと思う。
2人の答えは…
陣一朗:『やりがい!』
琴乃:『やりがい!』
琴乃:あれ?
陣一朗:だってさ、給料高いけど全くやりたくない仕事ってやりたくなくなるよね?
琴乃:そう? でも、お金あったら自分の好きなものが手に入る。それがやりがいじゃない? やりたくないけど、報酬をもらっていっぱい色々なものを買えたりとか…。
陣一朗:でも、やりがいのある仕事をやっていたら…。
琴乃:給料は安いけど…。
陣一朗:給料は安いままか…。
琴乃:(笑)
陣一朗:でも、やりがいのある仕事をやっていたら、いずれ稼げそうじゃない?
琴乃:いや、稼げないんだよ(笑)。
陣一朗:そういう体(てい)か(笑)それだったら給料高いほうがいいです。お金です。
琴乃:お金で娯楽を買いますか(笑)。
陣一朗:だって給料が上がらないんでしょ? やりがいはあるけど、変わらないってなると嫌だね、俺は(笑)。
琴乃:やっぱりでした(笑)。
香妻琴乃(こうづま・ことの)/1992年4月17日生まれ、鹿児島県出身。3歳でゴルフを始め、幼少期は横峯さくらの父・良郎氏が主催する「めだかクラブ」に在籍。中学から宮崎県の日章学園に進学してさらに腕を磨いた。2011年のプロテストに一発合格しツアーに参戦すると、14年に才能が開花。出場試合が限られる中で2位タイに2度入るなど成績を残し、初シードを獲得。18年の「マンシングウェアレディース東海クラシック」で念願のツアー初優勝を果たした。
香妻陣一朗(こうづま・じんいちろう)/1994年7月7日生まれ、鹿児島県出身。2歳の頃クラブを握った。琴乃同様「めだかクラブ」に入り、女子ツアーで活躍する姉とともに腕を磨いた。日章学園の3年時には「日本アマ」3位などの実績を残し、松山英樹らとともに「世界アマ」の代表に選ばれた。2012年にプロ転向。20年の「三井住友VISA太平洋マスターズ」で悲願の初優勝を挙げた。
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