26日、日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)は外国籍の選手に対する「新型コロナウイルス感染症に関する入国制限保証制度」を発表。22年シーズンへの出場権獲得の不平等が解消するのが狙いだが、この制度は保持している出場権によって大きく変わる。
端的に言えば、出場権を得られなくなったタイミングで“2試合(選手によっては1試合)の猶予を付与するよ”ということだが、それはどのタイミングか。そこでシード選手のイ・ボミ(韓国)とQTランキングでの出場となるアン・シネ(韓国)を例にとって当てはめてみた(あくまで実施大会は予定。今後の試合開催数などによって変更有)。
まず、19年の賞金シード選手であるボミは、21年の9月24〜26日に行われる「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」終了後に行われるリシャッフルまでの出場権を有している(免除されるのは今季の優勝選手と永久シード選手のみ)。ここまでに出場権を得られていれば、このタイミングでは入国制限保証は発生しない。
だが、もしリシャッフルでの出場権獲得までの賞金額に達していなかった場合、ここで2試合(スタンレーレディスと富士通レディース)の出場権が保証される。この2試合でリシャッフルでの出場権を得られる順位まで達する賞金を獲得できれば、それ以降も出場可能だ。
次の分岐点となるのは大王製紙エリエールレディス終了時。ここで賞金ランキング、もしくはメルセデス・ランキング50位以内に入っていればシード権を獲得。保証を行使することなく22年シーズンへと入る。
ここでシードを獲得できていなかった場合、保証が適用され、2022年の開幕戦から2試合が入国制限保障競技となる。この2試合で獲得した賞金額を20-21年の賞金に加算して、50位以内に相当する金額となれば22年のシード獲得、51〜55位なら22年の第1回目のリランキングまでの出場資格を得られるというわけ。
気を付けなければいけないのは3点。まずは入国制限保障競技が付与されるのは一度だけということ。リシャッフルの時点で2試合の出場権が付与された場合、21年最終戦でシードを獲得できなくても、もう一度付与されるということはない。
そして、今季からメルセデス・ランキング50位以内にシード、51〜55位なら22年の第1回目のリランキングまでの出場資格と賞金ランキングと同じ出場資格が付与されるが、22年の2試合で獲得したメルセデスポイントは加算されない。あくまで加算して計算されるのは獲得賞金だけだ。
もう1つは今回の保証による加算は、記録には加算されないということ。そのため、ボミが賞金女王争いを繰り広げ、22年の2試合の加算で1位の獲得賞金を上回る金額を獲得したとしても、賞金女王にはならない。
続いて、シネの場合。20-21年シーズンの出場資格はQTランキング25位。この資格ではボミ同様に保証試合として2試合が保証されている。
まず突破しないといけないのが、シード選手は免除となる第1回、第2回のリランキング。この時点で以降の試合の出場権を得られれば問題ないが、ダメだった場合はそれぞれリランキング以降の2試合が保証試合に。リシャッフル同様にここで出場権を得られる順位まで達する賞金を獲得できれば、それ以降も出場可能だ。
その後はボミ同様に、リシャッフル、シードのタイミングで付与されるかどうかが決まる。つまり、シネの場合は付与される可能性があるタイミングが4パターンあるわけだ。
なお、シードを得られず、このタイミングで保証試合が付与された場合、22年の2試合での獲得賞金を含めて賞金ランキング56位から70位までに相当する額となれば、ファイナルQTに出場せずとも、ファイナルQT最下位の選手の次点で出場権が付与されることとなる(該当者が複数いる場合は、トーナメント事業部が優先順位を決定)。
<ゴルフ情報ALBA.Net>