<ザ・プレーヤーズ選手権 最終日◇14日◇TPCソーグラス(米フロリダ州)◇7189ヤード・パー72>
前週の「アーノルド・パーマー招待」と同じくリー・ウェストウッド(イングランド)VSブライソン・デシャンボー(米国)の最終組。しかし今回は“二人の対決”とはならなかった。
デシャンボーのショットが序盤で大きく荒れた。制限つきながら入場した多くのファンがデシャンボーのティショットに注目。ところが事件が起こったのは4番パー4(382ヤード)だった。
ユーティリティで打ったティショットは「ヒールに当たった」と低く出て143ヤードしか飛ばすに目の前のペナルティエリアを越えられないというまさかのショット。「ほとんどシャンクだ」とテレビ解説つとめるニック・ファルドがコメントするほど見たこともないショットだった。
実際にデシャンボーは「あんなショットは試合では打ったことがない…。低い弾道で攻めようと思ったが、なぜか薄くヒールに当たった…」と驚いた。しかしそれだけではすまなかった。ドロップして打った第3打、残り258ヤードを4番アイアンで打つと今度はグリーンの60ヤードも右方向へ。「いったいどうなっているんだ!」とデシャンボーが叫ぶほどだった。
松葉の林の中からは一度で出せずに5打目でようやくグリーンを捉えると2メートルを沈めてダブルボギーに納めた。「トリプル以上もあったから、よくダボで抑えた」とデシャンボー。ちなみに第3打で4番アイアンのソールにヒビが入り「あのあと一日中使えなかった」という。
そのまま勢いに乗れずにウェストウッドに追いつけず、それでも終盤の16番パー5では残り191ヤードから3メートル強に2オン、イーグルを奪う見せ場も作った。
「きょうは一日中、ほどんといいショットを打てていたのに、4番はいったい何が起こったのか分からない。でもそれがゲームだ」とデシャンボー。「そういうこともある。そのあとに必死で戦い続けたことを誇りに思える。先週との違いはパット。いいパットを打ってもきょうは入らなかった」と最終日を振り返った。
2週連続Vとはならなかったが3位タイ。「今週は自分のゲームに合わないコースでも、戦えるということが分かったことが大きな収穫」と胸を張る。次週の「ザ・ホンダクラシック」は欠場。「きょうはJTのプレーに脱帽だった。しっかりとスイングを修正して戻ってくる」と27歳は悔しさをにじませコースを去った。(文・武川玲子=米国在住)
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