<ゴルフパートナー PRO-AM トーナメント 2日目◇21日◇取手国際ゴルフ倶楽部(茨城県)◇東コース(6804ヤード・パー70)、西コース(6531ヤード・パー70)>
石川遼は初日、コーライグリーンの西コースを回って4アンダー・25位タイ。2日目はときおり雨が降る中、ベントグリーンの東コースをラウンドした。最大瞬間風速17.6m/sを記録する強風でショットコントロールに苦しむ選手が多かったが、石川は風を感じさせないゴルフで、この日のベストスコアタイとなる「63」をマーク。トータル11アンダーまで伸ばし、3位タイに浮上した。
「風のラウンドを楽しみにしていた」という石川。「ドライバーはノーマルの打ち方をしていましたけど、基本的には低い真っすぐか、低めのドローで常に狙っていった。オフに練習してきているショットだったので、本当にきょうはいいテストだった」と振り返った。
象徴的だったのがアゲンストの風となった428ヤードの5番ホール。ドライバーでフェアウェイセンターをとらえると、セカンドショットは残り140ヤード。最初に8番アイアンを持っていた石川は7番アイアンに持ち替えると、ハーフショットで低くコントロールされたボールはピン手前70センチにつけてバーディを奪った。
「140ヤードの距離でも8番アイアンで思いっ切り打って170ヤード打たないとピンまで届かなかったと思う。それを7番で150ヤード打つ感じですごく軽く打って、風の影響を受けないようにしました。日頃からアイアンの距離感を自分なりに考えながらやっているので、そこはすごく良かった」という会心のショットだった。
今年、シーズンが再開されてから、この『低いドロー』が石川のキーワードとなっている。「低いドローがいい感じで打てていれば、急に普通のスイングに戻しても悪い影響が出ない。そういう低い球の打ち方をオフに練習してきた。アイアンですごい低い球を打った後に、ドライバーで普通に打てるんです」
4番では6メートル、11番では5メートル、16番でも5メートルのバーディパットが決まり、東コースのグリーンにタッチが合っている。東コースで行われる決勝ラウンドに向けても好材料になりそうだ。
「自分で意識的に合わせて行くことはなかった。そのなかでタッチが合ってくることが本質的かなと思う。一日中自分で合わせにいったら疲れちゃいますし、ラインの読みとか全体のバランスが崩れて、パッティングを難しくさせてしまう」。コーライグリーンの西コースよりも少し速いベントグリーンの東コースに変わっても、しっかりと対応できている。
首位の大槻智春とは5打差で残り2日間を迎える。「まだ半分なので。リーダーボードの上位のメンバーは入れ替わると思いますし、あと27ホールくらいやらないと、優勝争いのメンバーはそろわないと思う。そこに入れるように頑張りたいですね」。サンデーバックナインのリーダーボードに、石川遼の名前があるか注目したい。(文・下村耕平)
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