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菊地絵理香、4年ぶりV! ウェッジのように打てる曲がらないティショット&ショートパットへの自信【辻にぃ見聞】

国内女子ツアー史上最高の優勝賞金5400万円をゲットしたのは、トータル20アンダーまで伸ばしたプロ13年目の菊地絵理香だった。初日から単独トップに立つと、最終日まで一度もトップを譲らない完全優勝で、西郷真央とのバーディ合戦を制した。菊地はなぜ4日間1度も崩れることなく4年ぶりの勝利を挙げることができたのか? 上田桃子らを指導する辻村明志コーチが分析する。
■パターを替えてショートパットに自信が見えた
菊地が今年に入って出場した15試合で予選落ちは「ヤマハレディース」の1度だけ。優勝争いには顔を出しながらも、勝ちきれない試合が続いていた。「ショートパットで緩んでボールをしっかり打ち抜けず、ペロンと外して流れが悪くなる。それが菊地さんの唯一の弱点だった」と辻村氏は理由を挙げる。それが今大会での1ラウンドあたりのパット数は26.75で全体2位と安定したのだ。
「菊地さんのバッグを担いでいた佐藤真キャディに、『どうしてショートパットが良かったの?』と聞いたら、『最近パターを替えたんですよ』と。いま流行りのテーラーメイドの『トラス』(TPコレクション ハイドロブラスト ジュノ TB1 ツアートラスヒール)に替えたら、短いパーパットを一度も外さなかったらしいんです」
菊地がこのパターを投入したのは、5月下旬の「リゾートトラスト レディス」から。そのときは使った次の日にパターを戻したりしていたが、前週の「ニチレイレディス」では、初日から最終日まで使って5位タイ。それで「今週のグリーンと感触も一緒の感じがしたので」と、今大会でも4日間使い続けた。「3日目の優勝を決めるような4連続バーディの上がりとか、最終日のボギーフリーのゴルフだったり、決勝ラウンドに入ってのプレーはすごかった」と辻村氏も舌を巻く。
4日間通して一番難しかった16番パー4。最終日は1.5メートルのしびれるパーパットを決めて、大きな大きなパーセーブ。「パターがしっくりきていたせいか、ショートパットの悪い癖が出なかった。普段よりもパッティングできちっとボールに自分のエネルギーを伝えることができていました。いままでにない自信がパッティングで見えた」
■フェアウェイキープ選手権も菊地が制す
さらに、菊地本来のショットの安定感も光った。ティショットではドライバーだけでなく3番ウッドや5番ウッドも使い、4日間のフェアウェイキープ率は、パー3を除く56ホール中43回の76.79%で全体1位の数字だった。「一番フェアウェイから打っていたのが菊地さん。結局、最終的にはフェアウェイキープ選手権だった。なぜなら今回は僕が過去に10度見た大会のなかで、一番ラフを深くしていた」と辻村氏は話す。
練習日のときから成田美寿々など何人かの女子プロがラフの深さを自身のSNSにアップしていた。ひとたび深いラフに入れれば、出すだけで精いっぱいということも。ここで辻村氏が驚きの事実を明かす。
「ラフの深さは3通りありました。そんなに深くないところと、深いところ、それに超深いところの3通り。例えば、16番の右ラフや18番の左ラフは超深い。そこに入れるとウェッジで出すだけ。菊地さんは練習ラウンドで、ここはダメだというのをチェックしていて、しっかりマネジメントできていたのです」
菊地は全体1位のフェアウェイキープ率を誇りながら、例え外しても入れていいラフと割り切り、決して入れてはいけない深いラフは避けていたというのだ。結果として菊地は、4日間で22個のバーディを奪い、ボギーは2つだけだった。
■息の長い活躍を続ける菊地の武器はウェッジ
いま、国内女子ツアーで活躍しているのは20台前後の選手たち、現在の賞金ランクトップ10に30代以上の選手は、菊地(32歳)と申ジエ(33歳・韓国)しかいない。菊地は12年から9シーズン連続で賞金シードを守っている。20代の選手のような飛距離を持たない菊地が、入れ替わりの早い国内女子ツアーで、どうして息の長い活躍ができるのか。
その理由を「ゆったりとスイングできること」と辻村氏はいう。どういうことなのか? 「ショットに関して、ドライバーからウェッジまで『打っている』という感じではなくてフェースに『乗っかっている』感じに見える。この大会でも、これだけフェースにボールが喰いついていれば、ボールは曲がらないと正直思いました」。
続けてウェッジの上手さを辻村氏は挙げる。「ウェッジが上手い選手の条件は、ヘッドの重さをしっかり使えること。ウェッジショットを力で振り回している人は上手い人はいない。菊地さんは、上げるときも下ろすときもヘッドの重みを感じてタイミングが変わらない。この辺が本当に上手い」と絶賛する。
ドライバーの飛距離はそこまで出ない菊地が、57度のウェッジで80ヤード打ってくる。「やっぱりウェッジでヘッドが利いていますよね。菊地さんはパワーがあるわけではないけど、スピンがえらく入る。本当にクラブを柔らかく持って、ヘッドの重みでパーンって、きれいにボールに入れられるのが彼女の技術の真骨頂。あれだけヘッドの重さを利用して、自分は頑張らずというのが、本物の技術だと思う」と辻村氏。
菊地のウェッジの上手さはツアー通算15勝の上田桃子も一目置く。辻村氏はさらに「ウェッジの距離のコントロール、スピンの入れ方は、日本にいる選手のなかでトップクラス」とまでいう。ショットの安定に、絶対NGなゾーンを避けるマネジメント、ショートゲームへの自信。すべてが噛み合った強いゴルフで、菊地は勝つべくして勝った。
そんな菊地に2打差まで迫った19歳の西郷の存在も忘れてはならない。「西郷さんも勝てなかったけど、成長している。この1年で体が大きくがっちりしたし、スイングも体の中をしっかり使えるようになってきている。優勝は時間の問題だと思います。ライン出しのときはバチーンと体幹で打ってくる。すごくいいものがある」と辻村氏。ベテランの技が光り、1試合ごとに成長する若手。女子ツアーはますます面白くなりそうだ。
解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、山村彩恵、松森彩夏、永井花奈、小祝さくら、吉田優利などを指導。様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。
<ゴルフ情報ALBA.Net>

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