<日本プロゴルフ選手権 初日◇1日◇日光CC(栃木県)◇7236ヤード・パー72>
48歳のベテラン・片山晋呉が6バーディ・1ボギーの「66」をマークし、首位と1打差の2位グループにつけた。
「今日は(シニアプロの)寺西明さんと同組だったのでしっかりプレーしようと心がけたのがよかったんだと思います」と片山。この日はスタートの1番パー4でボギーを叩いたものの、心地よい緊張感の中プレーできたことが好スコアの要因だという。
もちろん、それだけが理由ではない。今大会を開催する日光CCは各ホールの両サイドが林でセパレートされ、バンカーが巧みに配されたレイアウトが特徴だ。しかもグリーンには大きなアンジュレーションがある上に芝目も複雑でラインを読むのが難しい。
そんな状況の中、片山がとった作戦はとにかく無理をしないこと。ラフやバンカーからグリーンを狙うときはピンを攻めるのではなく、グリーン中央に落とすことを第一に考える。ただし、距離が短いときや、フェアウェイから打つときは積極的にピンを狙う。当たり前ともいえる作戦だが、難コースだからこそ効果があるという。「単にドライバーをドーンと打って、ショートアイアンで乗せるコースよりも、技術を要求されるコースのほうが気持ちは入りますね。実際、そういうコースで勝っていることが多いと思います」と笑顔を見せる。
また、今回はキャロウエイのウェッジ、『JAWS FORGED』の新しいモデルを投入した。フェースのトゥまで溝が入っているタイプのニューバージョンだが、練習ラウンドで試したときのフィーリングがよく、使うことを即決した。実際、初日はグリーン周りから4度使用し、すべて1パット圏内に寄せた。ベテランになってもいいと感じたら迷わずに使う思い切りのよさは変わらない。
2年後には米国のシニアツアーであるPGAチャンピオンズに参戦したい意向を持つ片山。そのために現在は英会話の習得に励んでいるが、シニア入りの前にレギュラーツアーで優勝したい気持ちもある。「まだ初日ですし、ゴルフは何があるか分かりませんからね」と好発進にも慎重なコメントをしたが、裏を返せば自分にもチャンスがあるともとれる。ツアー優勝は2017年の「ISPSハンダマッチプレー選手権」から4年間遠ざかっているが、そろそろ美酒を味わいたいところだ。(文・山西英希)
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