<日本女子オープン 最終日◇4日◇烏山城カントリークラブ(栃木県)◇6550ヤード・パー71>
2位に6打差をつけ、トータル14アンダーで優勝した勝みなみ。その“圧勝劇”には、渋野日向子も目を丸くした。
最終日の平均ストロークは4ラウンドで、最も悪い「73.788」。22人いたアンダーパーも、わずか9人まで激減するなど実にナショナルオープンらしい、タフな一日だった。そのなかで勝は「66」をマークし、5つも伸ばしてタイトルを獲得。最後のラウンドで2つ落とした渋野は、このスコアを見て「かっちゃんだけ、違うスポーツで回っている」と“異次元ぶり”を表現した。
言わずもがな、2人は同じ1998年度生まれの黄金世代。わずか15歳でツアー優勝を果たし、その世代をけん引してきた同級生について渋野は、「黄金世代の道を切り開いた第一人者。アマチュアの頃は『勝みなみ』というと“やべ〜人”。違う場所で戦っている感があったけど、今はそう感じさせない雰囲気を醸し出している」とここまでの印象を話す。
アマチュア時代は「あまり関りがなかった」というが、プロになった現在は仲良しだ。そして「同じ土俵で戦っているライバルといったら申し訳ないけど、彼女もアメリカを目指している気持ちがある。いつかはアメリカで一緒に戦えると思っている」と、目標をともにする仲間という意識も強い。
2人が出場した昨年12月の「全米女子オープン」の会場では、こんなやりとりも。『Qスクール受けないの?』(渋野)、『早くても2022年かな』(勝)、『早く一緒にいこうよ』(渋野)。来年から主戦場として考える地で、2人して活躍したいという思いがある。
その勝との5打差を追いかけスタートした最終ラウンドだったが、渋野は「73」とスコアを落とし、トータル2アンダー・5位タイで大会を終えた。ラウンド中から伸ばしていることは知っていたが、「かっちゃんはなんぼですか?」と改めて最終結果を確認。「これだけ差(12打差)がついてしまったわけですから…、う〜ん、4日間通して安定したプレーができていない」ということを痛感させられた。
一昨年の大会は畑岡奈紗、昨年は原英莉花、そして今年は勝と、これで黄金世代が大会“3連覇”を達成。渋野も2年前の「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」、「全英AIG女子オープン」と日英のメジャータイトルを手にしているが、同世代のトップを走り続けてきた存在の日本一戴冠が刺激になったようだ。(文・間宮輝憲)
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