<富士通レディース 最終日◇17日◇東急セブンハンドレッドクラブ(千葉県)◇6679ヤード・パー72>
今大会での逆転初優勝、そして正会員入りは叶わなかった。2日目を終え、首位と4打差のトータル8アンダー・6位タイにつけていた高木優奈は、悪天候にともなう最終ラウンド中止を受け「残念です。やりたかったな、という気持ち」と本音をもらした。
それには理由がある。日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の正会員でないと原則、試合出場ができないという現状で、高木はめっきり数が少なくなった非正会員の『TP単年登録者』として今季のツアーを戦っている。2019年の下部ツアー「ANA PRINCESS CUP」優勝でQT参加資格を得て、20年シーズン(後に21年と統合)参戦権を手にしたが、来季以降のツアー出場を考えると正会員に名を連ねておくことがマストとなる。
そのための一番分かりやすい道がプロテスト合格なのだが、高木は“別のルート”、つまりシード権獲得ないしツアー優勝での正会員入りを目指している。今年6月に行われた20年度のプロテストを回避してまで、同じ週に行われた高額賞金大会の「アース・モンダミンカップ」に出場したのも、そういう背景からだ。
それだけに高木にとって、優勝は2つのよろこびをもたらすもの。逆転圏内で臨むはずだった最終ラウンドは午前9時49分にスタート予定だったが、その前の9時30分に中断、そしてそのまま中止となった。再開を待っている間は仲のいい選手たちと会話しながら、集中を維持。「天気が悪いから、しっかり耐えられたら順位が上がると思っていた」と、難コンディションを“恵みの雨”にかえようともくろんだが、プレーすることすらできなかった。
今年“2度目”となる21年度の最終プロテストは、11月2〜5日に京都の城陽カントリー倶楽部で行われる。ちょうど「TOTOジャパンクラシック」(11月4〜7日)と同じ週にあるため、タイムリミットはあと2試合。現在、2305万9425円で賞金ランク62位につける高木は、シード確定のボーダーを「あと1500万円ぐらい稼がなければいけない」と設定する。もちろん「11月のプロテストは、受けるつもり」と考えているが、その反面「あと2試合での免除を、まだ諦めていないので頑張りたい」という気持ちも強い。
その残り2試合のうち、次は賞金総額2億円の「マスターズGC レディース」。優勝なら金額は関係ないが、シード入りをにらむうえで、重要な試合となる。今週は281万2500円の獲得にとどまったが、「優勝するか賞金シードを確定させる」という考えを実現させるためにも、気持ちを切り替えて次なる舞台の兵庫県に向かう。
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