国内女子ツアーが開幕を迎え、女子プロたちの使うクラブが気になるところ。ティーチングプロ兼クラブフィッターのQPこと関雅史が開幕戦で使用したセッティングを解説する。今回は今年からクラブ契約フリーになった、原英莉花の14本。
今季からクラブ契約フリーで戦うことを明かした原が選んだドライバーは、キャロウェイの話題の新製品シリーズの『ローグST◆◆◆LS』。フェアウェイウッド、ユーティリティもキャロウェイ製で統一されている。アイアンは昨年と変わらず、ミズノの『JPX921』だった。
「契約フリーになったのは驚きました」というQP。14本を見て「振っても左に引っかからないようにしているのは感じます。ハードヒッター特有のセッティングですね」と、昨季のドライビングディスタンス1位で、自分のスイングでボールをつかまえられる原らしいという。
ドライバーはディープフェースで『ローグST』シリーズでもつかまりにくいヘッド。そして、シャフトはグラファイトデザインの「ツアーAD GP」を挿している。「GPは松山(英樹)選手もテストしたことがありますが、手元側から“ぐにゃっ”ってしなるタイプなので引っかかりにくいモデル」。男子プロのようにしっかり振っても左に曲がらない仕様にしている。
また、QPが気になったのはクラブの重量だ。「ドライバーは50グラム台、アイアンは80グラム台のシャフトを挿しています。原さんの身体能力からしたらドライバーは60グラム、アイアンは90グラムでもいいように感じます。全体的にクラブが軽いように感じますが、これはいいなって思います。軽い方が振り遅れにくいですからね。ハードヒッターが振り遅れるとミスが大きくなります。クラブが軽い分、パワーの出力は落ちますが、自分でパワーを生み出せるのでそこは問題ありません」と、うまく調整された重量だと話す。
懸念点も1つ挙げる。「開幕戦の大会前はスピン量が減ったと話していました。世間の風潮としてスピン量が多いと“悪”みたいに思われるかもしれませんが、スピンは揚力なのでなくてはならないものです。スピン量が少なすぎるとコントロールが難しくなります。まだ初戦なのでこれからうまく調整していくと思いますし、フリーになったのでクラブも変わりかも知れませんね」
開幕戦では「自分でいろいろなことを決断して戦っていく」と今年の目標を掲げた原。まだ慣れない部分もあるだろうが、今後もさらに調整を進めて最高の相棒を決めていきそうだ。
【原英莉花のクラブセッティング】
1W:キャロウェイ ローグST LS ◆◆◆(9.0度、ツアーAD GP-5S)
3W:キャロウェイ EPIC SPEED ◆◆◆(14度、ツアーAD IZ-5S)
3U: キャロウェイ APEX UW(19度、ツアーAD IZ-5S)
4U:キャロウェイ APEX UW(21度、スチールファイバー i95)
5I〜9I、PW:ミズノ JPX921(N.S.PRO 850GH neo S)
48、52、58度:キャロウェイ JAWS FORGED(N.S.PRO MODUS PROTOTYPE)
PT:オデッセイ TOULON SAN DIEGO
BALL:ブリヂストン ツアーB X
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