<東建ホームメイトカップ 事前情報◇30日◇東建多度カントリークラブ・名古屋(三重県)◇7062ヤード・パー71>
今年1月に日本ゴルフツアー選手会の選手会長に就任した谷原秀人と副会長兼広報委員長の小田孔明が、シーズン国内開幕の前日に「男子ツアー盛り上げ計画」を発表した。
1月の選手会長就任時には、「ファンがあってのプロ。ファンの方がいないと大会も盛り上がらないですし、ファンを大事にしていきたい。そして男子ゴルフの面白さを伝えていきたい」と所信表明。就任から約3カ月、選手会の理事と連絡を取り合って様々な施策を考えているという。
その一つが選手のニックネーム。「ツアーを盛り上げるために、ファンと選手の距離をもっと近くにしたい。メディアの方に各選手のニックネームを考えていただきたい。ニックネーム方が親しみやすいと思います」と各メディアに要望した。小田副会長も「昔のジャンボさんじゃないけど、愛称があった方がギャラリーの方も選手に声をかけやすいと思うんです。記事でどんどん発信してほしい」と、説明した。
男子ゴルフ界のニックネームは尾崎将司のジャンボが有名。ゴルフファンのみならず、ゴルフをやらない人までもその名前でピンとくるほどだ。ジャンボのほかにも、尾崎健夫は「ジェット」、尾崎直道は「ジョー」、青木功の「コンコルド」、飯合肇の「コング」、中嶋常幸の「トミー」などがある。かつて男子ゴルフが大人気だった頃には、こうしたニックネームを持つ選手が多かった。当時は報道する際にもニックネームが使われてファンにも浸透していた。今回も同じ効果も期待する。
普段は「タニ」、「コウメイ」と名前から派生した形で呼び合う二人だが、谷原に小田のニックネーム案を聞くと「“だっちゃ”はどう? いつも“だっちゃ”っていってるから」。それに対して小田は「言ってないよ。“ちゃ”はいうけど」と即却下する。「みなさんにいいニックネームを考えてもらいたいです」と二人は口を合わせた。
ほかにも「ファンとの距離」を縮める策はある。国内男子ツアーでは、観客が会場に入れるのは大会初日からがほとんど。しかし、欧米では練習日から観客を受け入れてファンサービスを行っていることを例に挙げて、「練習日は選手もフランクな感じなので、試合と違った選手の素を知ってもらえます。スポンサーさんには練習日からギャラリーを入れるようにお願いしています」(谷原)と練習日にギャラリーを動員する作戦や、写真スポットを作って“インスタ映え”を狙い、一番インパクトのある写真をSNSに上げた人には年間表彰をするなど、さまざまな作戦を練っている。
谷原選手会長体制の船出となるが、さまざまな盛り上げ策に期待したい。(文・小高拓)
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