<オーガスタナショナル女子アマチュア(予選) 初日◇30日◇チャンピオンズ・リトリートGC(米ジョージア州)◇6410ヤード・パー72>
「満足いくプレーができました。パッティングの練習をしてきて、それを出し切れました」。初出場、しかも初めて海外での大会に出場する吉田鈴は、ラウンド後、耐えに耐えた一日を充実した表情で振り返った。
3バーディ・4ボギーで、1オーバー・9位タイ発進。硬く、速く、傾斜も強いグリーンに選手たちは手を焼き、アンダーパーはわずかに5人というなか、リーダーボードの上位に“Rin Yoshida”の名を刻んだ。オーガスタ・ナショナルGCでプレーできるのは、予選を通過した上位30人のみとなるが、そこに一歩近づいた。
吉田が「あそこで流れが変わった」とターニングポイントに挙げるのが、385ヤードの5番パー4。ここは1番、そして4番とボギーが続いて漂った嫌なムードを、払しょくしたホールだ。左ラフからのセカンドを、木が目に入る位置からだったが、8番アイアンでピン手前1メートルにピタリとつけ、この日初のバーディにつなげた。「そこから(パターを)構えた瞬間に入る感じが出てきて、バーディもそのあと2つ獲れました」。まさに最良の薬を得るホールになった。
何よりも大きかったのが、何度もシビアな距離を沈めてセーブしたパーの数々。例えば前半8番のパー3では、ティショットをグリーン奥にこぼし、そこは急な傾斜で芝も順目という状況だった。もともと速いグリーンが、その脅威をさらに発揮する位置とも言えた。
パターで寄せた2打目は、案の定カップを越え4メートルもオーバー。ボギーもやむなしというピンチだったが、このパーパットをねじ込んだ。「後半のほうが難しいので、そこはめちゃめちゃ頑張りました」と、その後も勝負所のパットをとにかく決め続けた。
だが、それはそのまま反省にもつながる部分。明日以降の課題に「もったいないのがあった。ロングパットの読みとかタッチが合ってなかった」ことを挙げる。最終18番パー5も8メートルからのバーディパットが3メートルほどショートし、大ピンチに。ここもパーを拾って事なきを得たが、ストレスなくパーパットを打てるに越したことはない。
前夜には、出場選手の一人としてオーガスタに招かれ、歓迎のパーティに出席。「一生行けるか分からない特別な場所。優雅な感じでした。クラブハウスのレストランに入って、アメリカで食べたもののなかで一番おいしかったです(笑)。行けてよかった」。決勝を行う地に足を踏み入れ、モチベ―ションも高まるばかり。
「(予選通過は)30位タイではなくて30人。安心できる位置じゃない。天候も荒れる予報だし、明日が一番頑張りたい。きょう得た反省を胸に。あすが勝負なので頑張ります」。まずはグリーン上の課題を修正し、オーガスタのチケットを手にしたい。(文・間宮輝憲)
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