<関西オープン 3日目◇16日◇よみうりカントリークラブ(兵庫県)◇7180ヤード・パー71>
スタートの10番パー4で3メートルのバーディパットを沈め、幸先のいいスタートを切ったこの日の石川遼。続く11番パー4でもティショットでフェアウェイをキープし、波に乗るかと思われたが、乗り切れないのが今の石川なのだろう。グリーンを狙ったセカンドショットは決して悪くなかったが、あと1メートル足りずにグリーン手前のバンカーへ。しかもそれが目玉となり、3打目は出すだけ。結局、4オン1パットのボギーを叩く。
負の連鎖は止まらない。12番パー4ではフェアウェイからの第2打がグリーン奥のラフへ。そこからのアプローチがピンを大きくオーバーし、下り傾斜も加わって20メートルのパーパットを残す。しっかりと打ったボールはカップを越えると、奥のカラーまで越えてしまう。そこからパターで寄せて、結局ダブルボギーに。「自分では相当な上りのパットに見えたんですけど、カップから先が下っていたんだなと反省しました」と石川。
ところが、13番パー3では前日に続き、またしても距離感を修正する能力を発動する。ピン右手前から約20メートルのバーディパットをピタリと寄せたのだ。「気にしないってことですよね(笑)。あくまでも自分の中にある距離感で打ち、それが合わなかったら、また考えようと思って打ちました」。12番のように強く打てば池まで転がり落ちる危険もあったが、いい意味での開き直りが功を奏した。これがきっかけとなり、その後の14ホールでは3バーディ、ノーボギーと風が吹く悪コンディションの中、スコアを伸ばしていった。
「途中までスコアボードを見ることなくプレーしたので、自分の順位を確認できなかったんですが、意外と上っていてビックリしました」と言うように、トータル2アンダーのスコアは前日の49位タイから16位タイにまで順位を引き上げた。
最終日もスコアを伸ばしていきたいところだが、一つ迷いがあるという。今季から9番アイアンの替わりに入れた43度のウェッジを今大会ではまだ未使用なのだ。「ティショットをドライバーや3番アイアンで打てば43度で打つ距離は残るんですけどね。ティショットをアタックしたい気持ちもありますが、リスクも残りますし…」と悩ましい。せっかくこの3日間は飛距離よりも方向性重視のゴルフを貫いてきただけに、どうせなら最終日まで貫きたい気持ちもある。それでも、48度、52度でピンを狙ったショットが3、4メートル以内に乗る回数も増えてきた。ここに43度の精度が加われば、総合力が上がる思いもある。
最終日のスタート前まで迷いそうな雰囲気だったが、今大会が最後の試合でもなく、今すぐ結果を求めないのであれば、当初のプランを最後まで貫き通してもいいのではないだろうか。(文・山西英希)
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