<ロッテ選手権 3日目◇15日◇ホアカレイCC(米ハワイ州)◇6603ヤード・パー72>
パーを並べるガマンの展開だった前半から一転、後半に4つのバーディを奪い、トータル7アンダー・2位タイに浮上した渋野日向子。強風が吹くなかでのスタートにもかかわらず、ボギーはゼロ。もちろん道中にはピンチも訪れたが、その都度、小技で火消ししラッシュにつなげることができた。
特に渋野がホッと胸をなでおろしたのは6番、そして7番の両パー4だった。6番はフォローのなか、ピンまで残り123ヤードの2打目がグリーンをオーバーし、ボールは右奥のラフへ落ちた。ピンまでは15ヤードほど。ショートサイドのアプローチが残り、渋野も「外しちゃいけんところに外してしまった。(グリーンに)乗せるのが難しい」と振り返ったが、ここで見事なプレーを見せる。
砲台グリーンの傾斜に当てるようにボールを打つと、それがうまくクッションし、勢いをころす。これが50センチほどの位置につき、パーを拾った。
これだけでは終わらない。続く7番では強いフォローのなか打った2打目が、ピン左手前に着弾したものの止まらず奥のバンカーへ。「あそこには入れてはいけなかった」と、ここもスコアロスを覚悟してもおかしくない局面だったが、その砂からのショットは30センチにピタリと止まり、2連続の難局をウェッジでしのいだ。
するとその後、大きな“ご褒美”がくることに。6メートルを沈めた10番、そして直ドラをチャンスにつなげた11番で連続バーディ。さらに2つのバーディを加えてのホールアウトになった。「危ない場面もありましたけど、前半はなんとかオールパーで耐えられた。そこでしのいだぶん、後半しっかりと伸ばすことができた」。流れを切らさなかったことが、その後のいい流れを呼び込んだ。
優勝も見える最終日も、風が強いなかでのラウンドになることが予想される。耐える時間も少なくなさそうだが、そのなかでも窮地をしのぐウェッジの輝きに期待したい。
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